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君といたい町
第1話 広島県
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でニケツして現れるんだ?
そんな心の中に浮かぶ疑問を他所に枝葉は俺らの質問に答え始める。




「昔、一度だけこの町に遊びに来たことがあってね。その時、すごく気に入ったの」
「...はァ?そんな理由で簡単に高校まで決めたんか!?しかも赤の他人と同居までして(・・・・・・・・・・・)!!」



そんな中、すごく耳を疑う単語が聞こえた気がする。
同居?同居って....つまりは居候?青人と、枝葉が?


「ちょっと待て。”同居”ってなんの話だ?お前らまさか───」
「そうだよ?青人くんの家に今日から住むことになったの」
「...はぁ、お前。余計なことを言うなよ」


俺も青人も呆れて頭を抱える。青人が呆れる理由は知らないが大方不本意な居候ってことなのだろう。
 とにかくこの二人は”そういう関係”ではないということは察しがついた。
あまり深追いはしないでおこう......



「あのよォ、15年も住んでりゃ仲良かった友達もおっただろうし、そいつらも別れることになるんやぞ!?そこまでしてこんな田舎に来る必要は───」
「いいじゃない」
「え?」
「そういうことにしとこうよ」


 風に吹かれて枝葉の長い髪が靡く。
青人はキョトンとしながらも、どこか降参したような表情をしている。



「あーもうえぇ。そういうことにしちゃる。いいから高校に行くぞ」
「あ!青人くんやっと笑ってくれた!!」


 枝葉は青人が笑ってくれたことで同じく嬉しそうに微笑む。
この二人がどういう経緯で知り合ったのかはわからないけど、きっとこれから騒がしくなりそうな気がしてきて....心なしかワクワクしている自分がいた。






 しばらく歩いてようやくコンビニらしき長方形の建物を認識できた。

「あ、すまねぇ青人。俺少しコンビニに用があるんだ。ちょっと待っててくれるか?」
「え?あぁええよ」
「何買うの〜?」
「昼飯とかだよ。朝も食ってないからお腹すいてんだ」



 二人にしばらく待ってもらう旨を伝えて俺はそそくさコンビニへ向かう。
コンビニはコンビニでもよく都会で見かけるセ○ブンイ○ブンだとかファ○リーマ○トとか有名なチェーン店ではない。完全な個人営業だから外から見る限り品ぞろえも決して多いわけではないようだ。


 誰かがコンビニから出てくる。
年齢が俺と同じくらいの女の子でショートヘアをしているせいかとても活発そうな印象を与えてくる。
縞模様の服を着ている女の子は腕時計を確認しながら俺のほうへとやってくる。当然、前に俺がいることに気づいていない。




いや、与えてくるのではない。

俺は、|あの子の性格を知っている《・・・・・・・・・
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