機動戦艦ナデシコ
1334話
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ニヴルヘイムで行われた円とイザークの模擬戦は、色々な意味でアカツキを含めたネルガルやナデシコの連中に強いショックを与えたらしい。
俺がミナトやルリと話していると、急に何かに覚醒したかのようなアカツキがこちらを見る。
『アクセル、この戦いの映像は連合軍や連合政府に見せても構わないんだよね!?』
「うん? まぁ、それは別に構わないけど……連合軍や連合政府に情報を渡すのは、ネルガルとしても不味いんじゃないか?」
『いやいや、そんな事はないさ。確かに情報を過分に渡すというのは危険だよ? けど、今の連合軍や連合政府は、シャドウミラーがどんな勢力なのか全く分かっていない状況なんだ』
「分かっていない? こっちの件はある程度情報提供してるだろ?」
『あはは、それだけだと足りなくて。……特に、ミロンガ改をネルガルの製品という事にしたのがちょっと不味かったようでね。……あははは』
同じ笑い声ではあっても、明らかに最初と最後の間にあった笑いは違う種類の笑いだった。
その視線がプロスペクターのいる方へと向けられているのは、決して偶然とかではないだろう。
間違いなく、何らかの含みを持たせた視線。
……そうだな、ここでプロスペクターに変な責任がいってしまうと、俺達との交渉に差し障りが出てくる。
こっちにとって、プロスペクターという人物は強敵ではあるが、それでも話の通じない相手ではない。
「けど、あの当時はああするのがベストの選択だったと思うが? 実際、もしあそこでミロンガ改がナデシコ所属の機体だというのを明確にしていなければ、サセボシティは火の海と化していただろうし。連合軍そのものも、今よりも大きな被害を受けていたのは間違いないぞ」
もしあの時に連合軍がミロンガ改を確保しようとしていれば、こっちとしてはそれを認める訳にはいかなかった。
そうすれば当然連合軍との戦いになっていたのは明らかであり、そうなれば木星蜥蜴を相手に苦戦している連合軍がミロンガ改を相手にしてどうなるのかというのは、火を見るよりも明らかだっただろう。
これはプロスペクターを庇うという意味もあるが、寧ろ当然の事を言っているつもりだ。
この世界の常識に縛られていれば、あるいはミロンガ改の弾切れを狙ってきた可能性もあるが……そんな事をすれば、連合軍の戦力は更に多くの被害を受けていただろう。
そもそもミロンガ改に実弾兵器と呼べるものはS-11ミサイルしか存在しない。
それ以外の武器はビームマシンガンにしろ、エナジーウィングにしろ、エネルギー兵器だ。
ブラックホールエンジンが動いている限り永遠に撃ち続ける事が可能であり、止めるには機体を破壊する必要がある。
だが、ミロンガ改にはEフィールド、G・テリトリー、ブレイズ・ルミナスといったバリアが存
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