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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
第56話
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苦笑しながら答えたエマの答えを聞いたヴァレフォルは目を輝かせた。

「そういうところも含めてさ。ここだけの話、委員長がいない間セリーヌも随分心配していたみたいだ。素直に口には出さないけどいつだって委員長を気にかけていたよ。」

「そうでしたか……セリーヌが。ふふ、彼女とは生まれた時からの付き合いなんです。”魔女”の修行を始めた時も”使い魔”としてずっとそばにいて……私にとっては姉でもあり、妹でもあるような間柄ですね。」

リィンの説明を聞いたエマは昔を懐かしむかのように微笑みながら答えた。



「へえ、なんだか羨ましいな。俺なんかはついエリゼとエリスに気を遣ってしまうんだが……委員長とセリーヌなら何でも言い合えそうだな。」

「アハハ………いまだに隠し事なんかはされてますけど。でも……そうですね。少なくとも”姉さん”よりは……」

エマがふと呟いた言葉を聞いたリィンは”蒼の深淵”ヴィータ・クロチルダを思い出し、クロチルダを良く知る為にエマに尋ねた。

「クロチルダさん……彼女は委員長にとってどういう人なんだ?本当の姉妹ってわけじゃないみたいだけど。」

「えっと……正しくは”姉弟子”になりますね。魔女としては凄まじく優秀で、沢山の人に響く歌声も持っていて……私にとっては憧れの存在でした。禁を犯して故郷を出て行った今も………とても追いつける気はしません。」

「委員長……とにかく、委員長なりに頑張っていけばいいさ。」

「私なりに……?」

リィンの言葉を聞いたエマは目を丸くして不思議そうな表情をした。



「クロチルダさんに色々聞きたいのは俺も同じだ。でもそのためには、そのマフラーみたいに少しずつ進めていくしかないと思う。だから……頑張ろう、委員長。俺達と一緒に。」

「リィンさん……ふふっ、そうですね。ありがとうございます。なんだか少しだけ、目の前が開けたような気がします。」

その後完成したマフラーをセリーヌに届け……憎まれ口を叩きつつも嬉しそうに尻尾を振るセリーヌに二人は苦笑した。



〜温泉郷ユミル〜



「ふふ、セリーヌもマフラーを喜んでくれたみたいでよかったです。恥ずかしがってつける気はなさそうですけど。」

「は、恥ずかしがってないわよ!まったく、余計なことに体力を使って……ちゃんと休まないと承知しないわよ?」

「ふふ、わかっているわ。」

「(はは、二人とも嬉しそうだな。せっかくだし、一緒にどこかで休憩しようか……?)そういうことなら、二人とも。一緒に足湯にでも行かないか?午後までは時間もあるしいい休憩になると思うんだが。」

エマとセリーヌの様子を微笑ましそうに見守っていたリィンは二人に提案した。

「あ、いいですね。」


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