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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
第55話
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「……そうか。それで……少しは鼻を明かせたのか?」

「……いいえ、全然ね。この内戦で母様が行方不明になって、それどころじゃなくなってしまったし。でも―――今はみんなと。とことん前に進むと決めたから。前の実習で母様に言った、自分の道を示すという約束を果たすためにもね。」

「アリサ……」

導力バイクの整備を終えたアリサが立ち上がるとリィンはアリサの頭を優しく撫でた。



「え……」

(うふふ、さすがご主人様♪釣った魚にもちゃんと餌を与え続けているのもご主人様の良い所よね♪)

(つ、”釣った魚”って……)

(ふふふ、だからこそご主人様に惚れた女性は皆、ご主人様が新しい未来の伴侶を増やして怒っても、結局最後は許しているのではないですか?)

(フフ、そうかもしれないわね。)

(いいな〜、アリサ。頭を撫でてもらうのって凄く気持ちいいんだよね〜。)

呆けているアリサを見たベルフェゴールの念話を聞いたメサイアは表情を引き攣らせ、リザイラの念話を聞いたアイドスは微笑み、ミルモは羨ましそうな表情をしていた。



「はは、一生懸命にやってて頭に雪が積もってたからさ。……俺も、負けていられない。絶対にこの内戦を乗り越えて、自分の道を見つけてみせる。一緒にがんばろう、アリサ。」

「リィン…………」

リィンを見つめたアリサの脳裏にふとある出来事が思い浮かんだ。



そんなに泣かないで……ほら、これで元気だしなよ。



ぐすっ……雪でできたうさぎちゃん……?



ほら、頭に雪が積もってるよ。だいじょうぶ、僕が君を郷まで送り届けるから。しっかりついてきて。



う、うんっ……!



「―――ああああああっ!?」

幼い日の出来事を思い出したアリサは突如声を上げた。

「!?ど、どうした!?」

「お、思い出したの!9年前の家族旅行でユミルに来たあの時……私、誤って一人で雪山に迷い込んでしまって!そこで男の子に会って、郷まで送り届けてもらった……!あれ、間違いなくあなただわ!」

(あらあら♪とても素敵な事実が発覚したわね♪)

(ふふふ、二人の場合だとむしろ過去にそのような出来事があってもおかしくないですね。)

(まあ……フフ、それがお二人の”運命の出会い”だったかもしれませんね。)

(そうね………そして再会して結ばれるという素敵な”運命”が待っていたようね。)

アリサの話を聞いたベルフェゴールとリザイラは興味ありげな表情をし、メサイアとアイドスは微笑ましそうに見守っていた。



「言われてみれば、なんとなく覚えがあるような……その翌年くらいに例の事件もあって、記憶も曖昧になっていたし……その、じゃあ…
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