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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
第53話
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ない限り、具現化する事はないのですが……―――極稀に生まれながら”魔の因子”が最初からある人がいるんです。」
「………………」
「お兄様……」
「……ちなみにその”魔の因子”にはどんな力があるんですか?」
エイドスの説明を聞いて胸を抑えているリィンを見たセレーネは心配そうな表情をし、エマは真剣な表情で尋ねた。
「解かりやすく言えば”異能”、ですね。私と戦ったマクバーン、でしたか?彼のようにアーツや”
聖痕
(
スティグマ
)
”による力でもないのに、焔を出せる事もそうですが、一番代表的な”力”はやはり”
魔人化
(
デモナイズ
)
”ですね。」
「デ、”
魔人化
(
デモナイズ
)
”!?」
(おい、それって例の”教団”の……!)
(ええ……”殲滅天使”と特務支援課のあの子が持つ”異能”ね……)
エイドスの言葉に心当たりがあるエステルは驚き、トヴァルとサラ教官は厳しい表情をし、小声で会話していた。
「その……”魔人化”してしまったら、一体どうなってしまうんですか……?例えば”獣”じみた何かに呑み込まれ、”変化”させるんですか……?呑み込まれない方法はないのでしょうか……?」
「リィン…………」
「…………………」
辛そうな表情でエイドスに問いかけるリィンを見たルシア夫人は辛そうな表情をし、シュバルツァー男爵は真剣な表情で黙り込んでいた。
「……………―――申し訳ありませんが、”呑み込まれない”方法はリィンさん、”貴方自身が気付かなければならない”のでこれ以上は教えられ……――いえ、教えては”達する事ができない”のです。」
「俺自身が……………」
「”達する事ができない”……」
「意味不明なんですけど……」
エイドスの答えを聞いたリィンは呆け、ラウラは考え込み、エステルは疲れた表情で指摘した。
「……―――ありがとうございます。自分の事が少し理解できた気分です。」
「私からも礼を言わせて頂く。リィンもずっとその事に悩んでいたからな。」
「本当にありがとうございます…………」
リィンに続くようにシュバルツァー男爵とルシア夫人もエイドスに感謝し
「フフ、一晩泊めて頂いた”お礼”ですよ。貴方達に”イース”の加護を。」
エイドスは微笑みながら答えた後リィン達を見つめて祈り
(”イース”も”魔の因子”同様初めて聞く言葉ね。)
(一体何を意味しているのかしら……?)
エイドスの言葉が気になったセリーヌとエマは小声で会話していた。
「あ、別れる前に渡しておきたいものがありますので、エマさんとラウラさんはちょっと前に出てもらえますか?」
「フム?」
「え?は、はい。」
エイドスに突如名指しさ
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