第24話 明日を見据えて
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郎からの説教により本日二度目の生死の淵からの帰還を果たした後だったとか。
−Interlude−
温泉から上がり、男湯、女湯から出てきた風間ファミリーメンバーは、談笑しながら部屋に帰る所だった。
「そう言えばワンコ。士郎さんからのテスト大丈夫?」
少し話が逸れるが風間ファミリーメンバー全員は、あの後から少し経過した時に今後の一子の事を聞いていた。
最初は驚いたが、しっかり目標を見据えた上での決意と覚悟だと理解したので、応援するとも告げたのだ。
閑話休題。
京のこのセリフは明日に向けて勉強しなくていいのかと言う意味だった。
その手の意思疎通程度であれば一子にも理解できるので、ちゃんと受け取れるようだ。
「勉強しなくてもいいのよ。今のあたしの本来の学力が知りたいんだって!」
「そっか。なら最近県を跨いでランニングに行ったところは何県でしょうか?」
「馬鹿にし過ぎよ京、あたしだってその程度は判るわよ!ずばり、千葉県よ!」
「・・・・・・・・・・・・」
恐らく県を約して千葉と言う気だったのだろうが、勢い余って太平洋を跨いだ南米の国名を言い切ってしまう残念な一子。
いや、もしかすれば本気で言ってるのかもしれないが、その様な事を京に確信など持てる筈も無く、ただ憐れみを通り越して生暖かい眼差しを向けながら一子の頭を撫で続けた。
「如何したのよ京?そんなに撫でて来るなんて。あたしってばそんなに凄かった?」
「うん、凄いよ。どうやったらその答え(千葉をチリと言い切った事)にまで導くことが出来るのか、私には到底不可能な事だから」
「まーね!まーね!」
自分の答えが間違っているとも知らず、胸を張り続けて誇らしげにいる一子。
だが京は別に頭を撫でているが、決して褒めているとも正解とも一言も言っていなかった。
その2人をよそに、由紀恵は百代の顔を覗き込んでいた。
「モモ先輩、大丈夫ですか?」
『温泉こそは、桃源郷をこの世に顕現させたマイユートピアと豪語していたパイセンらしくねぇですぜ?』
「・・・・・・・・・」
しかし百代は反応しない。
それほどまでに士郎からの説教が堪えたのか、美少女たちが生まれたままの姿で咲き誇る桃源郷を体験しても直、百代の目は死んだ魚の目をしていた。
因みに、大和とガクトも同じような状態の目で俯いていた。
川に放り込まれた2人は体を温めるべく帰ってきた途端に温泉に向かったが、湯船に浸かっている所で士郎に遭遇して百代と同じ末路に堕ちたのだ。
そしてその原因を作ったモロは、罪悪感を感じているかと思われるが、現在の本人にそんな余裕は無かった。
「僕は、僕は
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