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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第54話 夢魔は嫌い?
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「(あ……、気付いたみたいだな。オレに効いていない事が。 ……うん。まぁ、これだけ時間がかかったら当然かな? ……で、でも 正直 腕のは―――あれだけど………///)」

 カイトは、軽く息を吸い込むと……、腕に当たってていた感触は必死に忘却しようとしつつ。

「くるむ………ちゃん、だったかな? さ、早く保健室へ行こう。次の授業も担任にいえば判ってくれるだろう。オレが言っておくよ」

 カイトは、そう言うと、呆然としているくるむの手を握り(まだかなり照れくさかったが……)連れて歩き出した。

 だが。

「ちょっ ちょっとまって!!」

 慌てて、それを止めるのはくるむだ。

「ん? どうかしたのか?」

 あくまで、不思議そうにくるむを見つめた。何をされているのか、全て判っているのに、意にも返していないのは、少々やり過ぎたか? とも彼は思っていた。

 案の定、くるむからは、疑惑が帰ってきた。

「なんで……何も言わないの? あなた。……あなたは、私が術を使って あなたを操ろうとしてたのわかってるんでしょ……?」

 魅惑眼(チャーム)を、何らかの方法で、防いでいるのはカイトだ。相手の精神に直接暗示をかける故に、鈍感だから、とか そういったどこかの漫画でありそうな天然系で、防げる様な術ではない。

 だから、くるむは、全て明らかに分かっている筈なのに、その事に関しては、全くといって追求してこないのが不思議だった様だ。

「……ああ、それはそうだな。正しいよ」

 困惑しているくるむの方へと、カイトは完全に体を向きなおして説明をした。それらしい理由は必要だろう。……彼女と言うひとを知っていると言う事は別にしても。

「……あれだ。こんな学園だ。他人をいきなり信用できなくて、魅惑眼(それ)を使ったのかもしれないだろ? ………まぁ、本気で操ってやろうとしたのかもしれないけど、絶対にそうも言えない。だからとりあえず、最初に言っていた方、『苦しい』って言っていた方を信じてみただけだよ。そこから先は、なる様になれ、って感じだ。……それに」

 カイトは、そこまで言うと 笑顔を見せて、くるむに言った。

「それに、君は魅惑眼(そんなの)使わなくたって、十分魅力的だし、そもそも悪い子には見えない、っていうのが一番だ」
「え……、え、え………ッ!!? ……………///」

 カイトの言葉に、完全に次に色々と聞こうとしていた言葉を失ったのは、くるむだった。

 くるむは数多くの男子生徒を虜にしてきたが、初対面で、ましてや術にかかってない状態の男子にここまで言ってくれたのは初めてだったのだ。

「(みんな、みんな、………かわいい! っとか、胸がっすごい!! っとか言ってるだけであんまり内面を
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