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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第54話 夢魔は嫌い?
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「………ありがとうございます。私生まれつき体が弱くて……、そ、その…… む……胸が……、発作的に苦しくなって、ぎゅ〜って………」

 カイトの手を握り、そのまま体をカイトに預ける様に寄りかかり、その豊満な(バスト)を、カイトに思いっきり押し当てるように、と言うか、完全に押し当てた。起伏に富んだ大きな大きな胸が、カイトの腕によって、形を変える。

 当然、カイトの腕にやわらかい感触がしっかりと残っている。埋もれている、といえるだろう。
 考え事をしていたカイトだったのだが……、流石に直ぐに考え事が吹き飛んだ。

「胸がはちきれそうになるんですぅ〜」

 彼女は、その行為をやめる気配はなく、今度は、カイトの腕を、挟み込む様にさせつつ、更に近づく。

「ちょっ! ま、まって、近い近いって!!」

 当然ながら、こんな経験ほとんど無いのはカイトだ。

「(うわわわ! ちょ、ちょっ やわらかっ…おっきっ…! って、オレな…何考えて…)」

 はい。幾らカイトでも、モカに思わず抱きついてしまう事は出来ても、……一応はそれなりに健全な男子なのです。ここまでド・ストレートにされると、無理は無いと思います。

 想定外の出来事、射程外から、突然の強力攻撃をされたも同じ感覚だ。――世の男の子にとっては、とても、とても有難い攻撃だけど、カイトにとっては、思わぬ事が起きたも同然だったから、気が動転してしまった。

「うふふ… 照れちゃって可愛い…」

 彼女は、慌てふためくカイトを見つつ、更に胸を押し当てながら、上目使いで見上げた。

「君…、 1組の御剣怪斗君ですね…? カイト君…わたしの目を見て………」
「え!」

 カイトは、言われるがままに、その子の目を見た。

「私は黒乃(くろの) 胡夢(くるむ)です。 ………これから、仲良くしてくださいね? カイトくん………」

 彼女……、事 《くるむ》は、そう言いながらカイトの目を見つめ続けるのだった。




 それは、当然、全ては計算通り、計画通りに進行している。

 色仕掛けで カイトに油断をさせつつ、自分の虜にする為に、くるむが仕掛けた術なのだ。

 そう、もしも――月音であれば、いや 月音に限らず、男子であれば誰もが掛かってしまう程の代物だろう。……だが。


「(これは……、確か、魅惑眼(チャーム)? 確か――夢魔(サキュバス)が得意としている魅惑、幻術……、か)」

 カイトの脳裏にはそれが浮かぶ。

 受け継がれた彼の能力には、まだ特典があったのだ。

 それは、《知識》

 魔法を操る為に、必要な知識は全て脳裏に刻まれており、大体を理解する事ができる。《根源の妖》と分類されている彼の能力故に
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