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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第54話 夢魔は嫌い?
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ただろう。だから、何とか撒くことが出来たのだ。
そして、ある程度進んだ所で、カイトは術を解いた。
「ふう……ここまで来たら大丈夫か、ううむ、最初っからこうすればよかったな…………、睡眠時間、確保しないと、エネルギーがもたん……」
逃げに逃げて、たどり着いた場所は校舎裏。
第一に、休憩時間に生徒が来るような場所じゃなかった為、休憩がてら、カイトは一服するのだった。
「ん。決めた。暫くはこうやって追っ手? を巻くことにしよっと… 何回かすれば流石に諦めてくれるでしょ。妖怪の学園だし……、不思議? な力で撒かれちゃうって事で……』
カイトはそうつぶやくのだが、正直にいえば、『諦めて欲しい……』と言うのが、彼の本音だ。
発動する為には、当然ながら自分自身の力、即ち《魔力》を使う。……いわゆる、ゲームみたいな、《MP》があって、それを消費して使用する訳だ。
言うは簡単だが、実際に消費してみると、やはりそれなりのリスクはある。つまり、使い過ぎれば、これまた疲れてしまうのだ。色んな意味で、大変な相手から逃げる為には、より疲れる事をしなければならない、とは皮肉だと思えるが、カイトにとっては丁度良い。――男なら兎も角、扱い方、接し方がよく判らない女の子相手には。
「……まあ、基本的に補助の魔法だし、ハイ、ロウもできる。……そこまで問題はないか。……さーてと、今何時だ……? 次の授業までの時間は……」
カイトは、現在時刻を確認するために、校舎の大時計を確認する為に、移動していると。
「あ…ああ…」
どこからか、声が聞えてきた。
「……ん?(……まさか…、こんなに早く見つかった?)」
カイトは、正直びっくりしてしまった。何故なら、彼女達が進む方向とは真逆に移動し続けたからだ。見つかるにしても早すぎる、と思ってしまったのだ。
だから、カイトは、恐る恐る声の方へ向いてみると。
「だ……、誰か…、誰か、助けて………、手を、手を貸して下さい。急に具合が悪くなって…」
どうやら、自分を追いかけてきてる彼女達とは違った。物凄く安心しつつ、カイトは、急ぎ足で、その足元が覚束無い様子の女子生徒の方へ向かう。
「ん、大丈夫か? 立てる? とりあえず保健室に行くか?」
カイトは、手を差し出す。
その時、はっきりと目の前の女の子の顔を見た。
「(………? あれ? この子は確か…………)」
手を指し伸ばしたまま、カイトはしばし考えていた。
その容姿、見たことあるような気がして不思議に思っていたのだ。学園で見かけた、と言うレベルではなく、昔から知っている。そんな感じがしたのだ。
少々考え事をしているカイトを他所に、女の子はカイトの手をとった
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