第九話「無慈悲な真実」
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「今回はあの人の事そんなに気にしなくていいと思うよ。」
あえてあの人とアルフは言った。鬼ババァではなく。折角フェイトがプレシアの意に背くようなことをしようとしているのに妙な刺激を与えたくはなかった。それでもフェイトはどこか気にしている様だったのでこうも言った。
「大丈夫だって!リオンが言った事なんだから、いざとなったらアイツがきっと庇ってくれるさ。でなきゃ密告りゃいい。」
「そ、そうかな。」
「そうだって!」
フェイトが漸く落ち着いたのを見てアルフはつくづく自分勝手だと自嘲していた。
(ついこの間までは、アイツの事ボロクソに言ってたってのにね...本当に勝手だアタシは)
今はむしろリオンに感謝している位だった。アルフの言葉では今までプレシアに反抗らしい反抗をまるでフェイトはしなかった。だがリオンはきっと呆れるだろう。シャルティエにも顔向けできた話じゃあない。
(けどわかっとくれよ、アタシはフェイトに笑って欲しいんだ。許してくれんならアタシもう酷いことは言わないから...)
それこそがアルフにとって最も確かな事だった。
・・・時を海上決戦の前に遡る・・・
少年は薄暗いクモが好んで糸を吐いて巣を作りそうな通路を歩いていた。
実際には薄暗いもののかなり整理されている...と言うか何もない上に外気に殆ど触れる事がないのでクモの巣を見つける事は不可能なのだが。
ただ通路を歩いている少年...リオン・マグナスに言わせればクモやコウモリよりも陰湿な女が住んでいて奴らも近づけないからだ、と答えるだろうが。悲しい事にリオンはその女に用があるのだ。
リオン自身憂鬱な気分になりながらそのクモより陰湿な女の名前を呼んだ。
「プレシア・テスタロッサ。」
「…フェイトではなく、貴方が来るとはね。」
「先日の光景を見て、アイツにジュエルシードを届けさせる奴がいるというのならその顔を拝んでみたいものだな。」
その嫌味をプレシアは軽く受け流して顔を上げた。とりあえず嫌味で返す事にした。
「それで幾つあるのかしら、先日どこかの野蛮人にサーチャーを叩き潰されて確認できていないのだけれど。」
言うまでもないことだがその野蛮人とはリオンの事だ。普通に言うなら鋭い勘で、プレシアに言わせれば犬の鼻でその場所を見破ったリオンはその全てを破壊していた。そうするまではプレシアはサーチャーでフェイトの様子を確認してジュエルシードがどの位集まっているのか、またそのペースを把握てし情報を得ていた。
破壊された際にプレシアとリオンの間で一悶着あったのは言うまでもない。
リオンは懐から一つジュエルシードを取り出した。それを見てリオンは少し動揺したようだった。
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