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不可能男の兄
第五章
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なー」

 しかしだ。なんだその急な身の振り方は……!
 少し離れて、表示枠《サインフレーム》を出し始めるし、何かクラスメイト達と話でもするつもりなのだろうか。
 そして、相手を何時までも待たせるわけにも行かない。

「ですが、聖下、聖下の解釈では無関係な無辜な民が一人失われます――」



 葵・ユーキは、正純から少し離れ、クラスメイト達と実況通神《チャット》で会話する。

『あー。分岐点、選択肢、別れ道。まあ、どれでもいいけど、お前らに選んでもらう』

 浅間は、何を? と思う。

『トーリの夢である、皆の夢が叶う国を作る王様になる。それに付いて来るか、付いて来ないか、だ。ぶっちゃけ、世界相手に喧嘩を売って、この先戦いばかりになるだろう。そん時に、やっぱあんとき馬鹿に付いて行かなきゃ良かった、と思うこともあるだろう。だから――後悔しない為にも、今ここで改めて、考えて欲しい。これからの事を』
 
 今朝、教室で話があった、ホライゾンを救う時の話を思い出す。
 降りる、降りないの選択は自由だ。
 それを今ここで、蒸し返すのは葵・ユーキだった。
 
『ユーキ君。まだ、臨時生徒総会、最後の相対戦は終わっていませんよ?』

 私は、どうしたいのだろう。いや、まあ……決まっていると言えば、決まっている。
 ……私は、浅間神社の人間ですから。

『浅間。別に浅間神社だから、とか契約関係の事があるからとかで、無理に理由作って付いて来るつもりなんだろうけど、無理する事はない。臨時生徒総会については、引き分けだ。うん。で、まあ武蔵王ヨシナオ、麻呂が警護隊総隊長と嫁引き連れて、こっちに向かってっから、延長戦は、武力で相対だろうね。――情報提供者は、秘密だ』
『秘密って、どうせ商工会の誰かでしょ? 目撃情報を幾らで買ったわけ?』

 ハイディが、秘密の情報提供者を予測していた。
 たぶん、正解なんだろう。
 すると、ネシンバラがさらに問いを追加した。

『どうして、引き分けだと思うんだい?』
『教皇総長は、他校生徒。臨時生徒総会は、武蔵アリアダスト教導院の問題で、トーリと正純の相対に乱入してきた時点で、それはおかしな話だからな。まあ、色々とあるけど、説明すると長くなるから省くけど、俺が引き分けと言うんだから引き分けだ』
『それで納得しろってか!』

 約全員のツッコミが入った。

『で、まあ話は戻るけど、延長戦にも勝つつもりだし、ホライゾンも救う。トーリが王になるために力を貸そうと――あの馬鹿に力を貸そうと思うなら、よろしく頼むわ。貸したくねーとか、やっぱやめとくって思うなら、今のうちだ。だからまあ、臨時生徒総会の決着が着くまでに考えといてくれ』

 ユーキ君の言う通り。このタイミングが最後だ
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