第五章
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害を防ぐ――ホライゾン・アリアダストを救う理由、大義名分となる正義はある」
言ってしまえ。
ホライゾンが三河君主として責任を取る必要など無いと。
「まずそれは、彼女が三河の君主として責任を取る必要はないということだ」
正純は続ける。
恐らく、俺の考えた対策と殆ど変わらない内容を告げるのであろう。
……俺の役割は、どうにかして正純を聖連側から極東側にすることだったが、トーリにやられたからなぁ。
正直、あの展開から俺の役割は終わっていた気がするぜ。
「昨夜、三河君主の元信公は三河消失を行い、死亡した。それは自害と見なされずに三河消失の一環と捉えられて、ゆえに責任は次の君主に持ち越されたわけだ」
アデーレの混乱は放置しておいていいのだろうか。
多分良いんだろう。誰も何も説明しないし。
「だが、元信公が死亡した際、ホライゾン・アリアダストは嫡子ではなかった。そうだな? 浅間? 略式相続確認は今朝方だったはずだ」
「あ、はい。そうです」
浅間は突然話を振られたのにも関わらず、答えていた。
本来は三河の神社で相続の確認はされるが、三河と共にその神社も消失してしまった為、三河の君主としての相続確認は聖連側の連れてこられた神道術者が行なった。
K.P.A.Italiaなので、厳島神社がそれを行なったのだが、ホライゾンは武蔵住人なので本来は浅間神社でそれを行うのが通常だ。
「――つまりは、ホライゾンは過去の記憶が無い上で、武蔵の住人として生活していた。その彼女は三河の消失には関わっていないのに、何で三河消失の責任を取らないといけないって話だトーリ」
「兄ちゃん。それは君主だからしょうがねぇんじゃね?」
眉をひそめて聞いてくる弟は割りと可愛いと思う。
正純は、トーリというより画面の向こう側に伝える姿勢を取っている。
……まあ、各国にもそれは変だ、と思わせようとしているのだろう。
いや、本来の敵を誘き寄せようとしている。
「いや、それは違うだろう。自分の知らない所で、そもそも自分が管理してないことに責任を取れっておかしいだろう。それに、ホライゾンがいなかったら誰が責任を取るんだ? 誰も三河消失が起きるなんて知らなかったんだぜ? 知ってた奴らは三河と共に消失している」
「そういうことだ。解るか? 事件に対して無関係な人間、何も知らずに生きてきた人間がいきなり嫡子にさせられて、責任を取らされそうになっているのだ。よく考えろ。聖連の今のやり方が通るなら、ホライゾンがいない場合でも聖連によって、三河の君主にさせられた誰かが自害しなければならない」
それは、つまり誰でも処刑できるものである。
「これは歴史再現を悪用した。自分の思い通りに処刑を行う悪魔のシステムだ
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