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レインボークラウン
第三百三十話

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                第三百三十話  一瞬で
 博士は小田切君を横に置いたうえでホムンクルスを造り出しにかかった。フラスコの中に液体を一滴照らし。
 そこからあれこれと薬品を調合し実験の様に動いてだった。
 一時間程でだ、フラスコの中に。
 小人が生まれていた、博士はそれを見て小田切君に言った。
「完成じゃ」
「あっという間でしたね」
「まあのう」
「ホムンクルスは」
 小田切君は本で読んだ錬金術の知識から博士に話した。
「普通はもっと時間かかりますよね」
「そうじゃ」
「それがですか」
「わしの場合はな」 
 それこそというのだ。
「一時間もあればじゃ」
「生み出せるんですね」
「そうなのじゃよ」
「ううん、何ていいますか」
「だからこれも慣れでじゃ」
 博士は小田切君にさらに話した。
「わかってくるとな」
「一時間で出来るんですか」
「そうなるのじゃ」
「錬金術の極意でも」
「そうなるのじゃよ」
「嘘みたいな話ですね」
「嘘でも見た通りじゃ」
 小田切君には見せた、博士の横で。
「実際にそれが出来たじゃろ」
「まあそうですが」
「うむ、ではこのホムンクルスはな」
 その生まれたばかりの小人を見て言う。
「別次元に送ろう」
「ホムンクルスのいる世界にですか」
「わしがこれまで造ったな」
「そうした命は粗末にされないんですね」
「わしが生み出したものじゃ」
 それ故にというのだ。
「そうしたことはせぬ」
「その辺りの暴走族とかチーマーは殺しますよね」
「ああした小悪党は好かぬからな」 
 だからだというのだ。
「容赦はせぬ」
「それも一切ですね」
「明日また気が向いたらな」
 そうなればちうのだ。
「殺しに行って来る」
「あっさりしてますね」
「わしに法律は通じぬ」
 全く無視するからである。 
 そうした話もしてだった、博士は生み出したホムンクルスは異次元までの転送機で無事に送った。そして次の気が向いた実験にかかるのだった。


第三百三十話   完


                    2016・4・1
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