第十一幕その八
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「先入観は誰にもあるね」
「熊さんはどうか、人はどうか」
チーチーはウルだけでなく先生達も他の皆も見ています。
「そうした先入観は否定出来ないね」
「その生きものなら泳ぎ上手とか」
ガブガブの家鴨としての言葉です。
「あるわね」
「何が好きな食べものとかどんな性格とか」
ジップも言います。
「その生きものでどうかってあるね」
「うん、僕達雀もね」
「そうした目で見られてるわね」
チープサイドの家族は今は先生達の上を飛んでいます。
「どうしてもね」
「それぞれの生きもので」
「だからウルもなのね」
ポリネシアはウルを見ています。
「そう見られるのね」
「確かにね」
「僕達も最初怖いって思ったよ」
オシツオサレツは前を進みつつも前後の頭で言葉を出しています。
「大きいからね、ウルは」
「それに羆だから」
「先入観は本当に誰でもあるよ」
先生も言います。
「勿論僕にもね」
「先生にも先入観あるの?」
「そうかしら」
「先生は顔とか外見で判断しない人じゃない」
「性格を見る人なのに」
「そんなのあるの?」
「本当に」
「あるよ」
先生は皆にはっきりと答えました。
「そのことを意識しているよ」
「そうかな」
「先生にそんなのあるかしら」
「僕達が見たところね」
「そんなのとは無縁の感じだけれど」
「その人が何処の人だからどうとかその生きものはどうかとか」
先生は皆に答えて言いました。
「僕にもあるんだ」
「先生にもあるなんてね」
「信じられないけれど」
「そうなんだね」
「先生自身が言うには」
「この先入観が偏見にもなるから」
それでとも言う先生でした。
「気をつけないとね」
「偏見強い人いるよね」
「中には偏見の塊みたいな人も」
「そうした人や生きものになるとね」
「やっぱり駄目だよね」
「うん、なったらね」
それこそというのです。
「よくないからね」
「いつも意識してるんだ」
「自分に先入観があることが」
「それで注意してるんだね」
「そうしているよ、けれど本当に難しいね」
その先入観なくして相手を見ることはというのです。
「そのことがね」
「僕が怖く思われる理由は」
ウルはその自分自身が抱かれる先入観のことを言いました。
「この大きさのせいだけれどね」
「とにかく大きいからね」
「僕達もこんな大きな熊さん見たのはじめてだから」
「凄い大きさだよ」
「大きいことはいいけれど」
ウル自身も気に入っていることです、人も生きものも大きいことそれ自体がいいことと思ったりするからです。
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