新暦76年
memory:09 クリスマス
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
-side 悠莉-
「ゆーりちゃん!」
「道場のみんなが来たぜ!」
『おじゃましまーす!』
リインとアギト、それに道場のみんなの声を聞いて作業を一旦止めて顔を上げる。
二人に案内されて入ってきたみんなを台所から出迎える。
「おっ、みんないらっしゃい。もう少しで準備終わるから待ってて」
リビングに入ってきた途端に全員が声を上げた。
みんな室内に飾られたクリスマス仕様の装飾やテーブルに並べられた料理の数々に釘付けになっていた。
「ほらほら、入口で固まってないでちゃんと入ってきなよ」
何人かは荷物を置くと台所の周りに集まってきた。
そして作業の様子を興味津々と覗き始めた。
「テーブルの料理って全部ユーリが作ったの!?」
「料理の方はリインとアギトに姉さん、時々私。でもデザートの方は私が作ったよ」
「すっごーい!」
「なぁなぁ! ちょっとだけ食べてみてもいい?」
「ダーメ、みんなが揃ってからね。…あれ? そういえばミウラはどうした? 一緒に来たんじゃないの?」
「ミウラならはやてさんと話してたよ。ていうか聞いてないの?」
一体何を?
そう思いながら来てるなら大丈夫か、と結論を出す。
そしてケーキの仕上げにるために手を動かす。
「ミウラはちゃんと来てるんだね。となると後はライだけか……」
「わりぃわりぃ遅くなった」
「ごめんなさい、お待たせしました!」
「噂をすれば、だね。二人ともいらっしゃい」
まだ姿を見ていなかった二人がやって来た。
その後に続いて姉さんとライを乗せてきたシャマル、最後にザフィーラもそろった。
「さて、こっちもこれで最後のケーキもできたし始めようよ」
参加者は八神家含め十五人に満たないほど。
どうしても家の事情で来れない道場の子もいたのでこれくらいの人数になった。
この場にはまだシグナムとヴィータの姿はないけど、仕事が早く終われば参加したいと言っていた。
ジュースの入ったコップがみんなの手元に行き渡る。
それを確認した姉さんは軽く咳ばらいをした。
「みんなコップ持ったな? そんじゃ八神家クリスマスパーティーを始めます。みんな、メリークリスマス!」
『メリークリスマス!』
全員で一斉にコップを掲げた。
始まって早々、ライが何かを持って近づいてきた。
「悠、ミウラっちゃん」
「何ですか…ひゃう!?」
「……何やってんだよライ」
「いや、お約束だろ?」
振り返ってみれば用意していたノンアルコールシャンパンの銃口を向けていた。
「眉間撃ち抜くのはお約束だけど危ないだろ」
「そ、そうだよ。悠莉くんの言う通りだよ」
ミウラもびく
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ