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もう一人の八神
新暦76年
memory:09 クリスマス
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優しい表情になった。

ジャンパーを悠莉くんに返して前に立った。

「そういう風にしろと? ま、いいや」

ボクは悠莉くんに抱きつかれる形で座った。

「えへへ、悠莉くん温かいや」

「ミウラも温かいよ。それにいい香りがする」

「あぅ……恥ずかしいこと言わないでよ」

また顔が熱いよぅ〜。

「どうして? 思っていることを言ってるだけだよ?」

うぅ〜…悠莉くんわかってて言ってるよね!?
そ、そうだ!

「さ、さっきのってアステルシューターだよね!」

恥ずかしいから無理やり話題を変えた。

「そうだよ。この前地球に行ったとき、なのはさんに教えてもらった誘導弾の練習法。なのはさんも子供の頃にやってたやつなんだってさ」

「なのはさんって確か……」

「姉さんの親友でヴィータの同僚。ちなみにヴィータを教導隊に誘った張本人らしいよ」

それからたわいもない話をしていると、気づけば始めのころに感じていた恥ずかしさはなくなっていた。
悠莉くんに寄りかかりながら空を見上げみたらあることに気づいた。

「あっ…悠莉くん! 見て!」

「うわぁ…雪だね。どうりで冷えると思ったら……」

星空から白くてふわふわした雪が降り始めていた。

「今年はホワイトクリスマスだね」

「そだね。もうしばらくこのまま見上げていたいけどそろそろ家に戻ろうか」

少し残念そうな悠莉くん。
ボクも同じ気持ちになったけど笑顔で返事を返した。

-side end-
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