新暦76年
memory:09 クリスマス
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岸に行ってるはずだ」
「いつものって…道場で使っているところですか?」
「ああ、あたしと入れ違いに魔法の練習に行ってくるからと言って出て行ったからな」
悠莉くんの魔法って一体どんなのなんだろう?
む〜、気になるなぁ………よしっ!
「ヴィータさん、ボクちょっと見てきますね」
それだけを言い残して急いで海岸に向かった。
その時ヴィータさんが何か言ってたみたいだけど聞こえなかった。
ヴィータさんに教えてもらった通りに道場で使っている海岸に来てみると確かに悠莉くんがいた。
水色の魔力弾が流星のように夜空を駆け巡っていた。
「うわぁ…綺麗……それにすごい……」
「481、482、483……―――」
悠莉くんは集中しているみたいでボクに気付いていないのかな。
魔力弾に弾かれて空き缶からはカン、カンと金属音が鳴っている。
口ずさむ数字は地面に落ちることなく当てている数なんだろう。
暗いからよく見えないけど、悠莉くんが止めるまでずっと落ちない気がした。
「498、499……ラスト500、っと」
最後の一発に弾かれた空き缶がこっちに飛んできた。
「あわわっと!?」
「ナイスキャッチ。声くらいかけてくれればよかったのに」
「練習に集中してたみたいだったから邪魔しちゃいけないかなって思っちゃって」
そっか、と言って悠莉くんは笑顔を見せてくれた。
それから何かに気付いてボクのことをじっと見つめた。
「ど、どうしたの? 何かついてるの?」
「見たところ風呂上りみたいだけどそんな格好じゃ風邪ひくよ?」
そう言われて自分の格好に気付く。
薄くはないけどパジャマだけで何かを羽織ってるわけじゃなかった。
だから言われてから意識しだすと……
「くしゅん!」
「あーあ……まったく…湯冷めして風邪ひいたとか言われたら困るんだから」
くしゃみをして体を震わせると悠莉くんは着ている丈の長いジャンパーをかけてくれた。
「え? でもそれじゃあ悠莉くんが……」
「私なら大丈夫。さっきの練習する前に体動かしてたから。ほら」
悠莉くんに手を握られるとポカポカしていた。
だけどそれでも納得がいかないと悠莉くんを見た。
「うーん……それじゃあ一緒に私のジャンパーを着る?」
「……ふぇ?」
そ、それってボクと悠莉くんが密着してジャンパーに包まるってことだよね!?
「大丈夫? 顔真っ赤だぞ?」
「だ、大丈夫……」
うぅ〜想像したら恥ずかしくて顔が熱いよぅ。
でもこれなら二人とも風邪ひかなくて済むよね。
「ゆ、悠莉くん! 一緒に着よっ!」
勇気を振り絞って言った。
悠莉くんは呆気にとられてたけどすぐに
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