新暦76年
memory:08 親友とその妹
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入ってきたらしいから急いで帰って来いだとさ」
「あー…風邪ひいてるリオちゃんを一人にするわけにもいかないしね」
「そういうこと。そんなわけだから今回は遠慮するわ」
「……おばさんは何か作ってあると?」
「本当に急だったらしく何にも。ま、お粥くらいだったら多分作れるだろうし、俺は俺でインスタントで十分だし」
うーん、心配だね。
あ、でも、リオちゃんのお見舞いにも行きたいと思ってたしそのついでにしたらいいか。
「それなら私も行っていいか? リオちゃんのお見舞いしたいし」
「は? でもいいのか? 準備とかで忙しんじゃ……」
「問題ないさ。料理作るだけだからほとんど当日の朝にやればいい。それよりもリオちゃんの慌てる顔が見たい」
「……お前…リオは一応病人だぞ? それに本人の兄を前にしてそれを言うか?」
呆れ顔でため息をつかれた。
別にいいじゃんかよ。
-side end-
-side リオ-
―――コンコン
部屋のドアがノックされる。
そしてあたしの返事を待たずにドアが開かれた。
「大丈夫か?」
「ケホッ、ケホッ…お兄ちゃん? 帰って来たんだ」
「リオを一人にするわけなはいかないからな」
別に気にしなくていいのに……
そう思いながらもありがとーって気持ちになる。
それをわかってかはわからないけど、お兄ちゃんは優しく目を細めながらおでこに手を乗せた。
「……冷たくて気持ちぃ」
「外はそこそこ寒かったからな。それにしても熱は…うん、朝に比べたら下がってるな」
そう言って手を離した。
なんとなく朝にお兄ちゃんが出かけたことを思い出してそれについて聞いてみた。
「ところで明日の準備、もう行かなくていいの?」
「俺の仕事は終わったし、手伝いも必要ないらしい」
そうなんだ。
それなら悠兄ぃに会いたかったなぁ。
「悠に会いたかったか?」
「おおおお兄ちゃん!?」
な、なんでわかっちゃうの!?
「いや、顔に出てたし。つか、熱上がってねえか? 顔真っ赤だぞ」
「お兄ちゃんのせいでしょ!」
そう言うといじわるそうに喉を鳴らして笑った。
布団から顔を半分だしてジト目で睨んでみても笑ったまんまだ。
「それはそうとリオ、腹減ってねえか? お粥作ったんだが」
「……別にいらないよ」
「本当に?」
「ホントに!」
ちょっと意地になって返すとわざとらしくため息を吐かれた。
「そうか、それは残念だ。じゃあ仕方ないな」
その言葉に眉間にしわを寄せると部屋の外から足音が聞こえた。
それは次第に大きくなって部屋の前で止まると、部屋のドアがノックされた。
お兄ちゃん
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