暁 〜小説投稿サイト〜
英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(3rd篇)
2章〜異界化王都〜 異伝〜遥かなる記憶 第1話〜
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
〜???〜



「もうリース…………どこに行ってたの?お買物を済ませたら店の中にいないんだもの………ねえさん、驚いちゃったわ。」

「………むこうの屋台でおいしそうな匂いがしたから。それよりも………へんなのを見つけたの。」

「へんなの………?」

少女の言葉に首を傾げた娘は少女に促されて、ある場所を見つめた。そこにはある少年が狭い路地内で顔を伏せて座り込んでいた。

「………まあ……」

「…………いきだおれ?………それともくいだおれ………?」

「多分、くいだおれじゃないと思うけど…………でも、よくそんな言葉を知っているわねぇ。………っと、それよりも。」

少女の言葉に苦笑した娘は少年に近づき、声をかけた。

「………ねえ、君。私達の声………聞こえる?」

「……………………」

娘に声をかけられた少年はわずかに顔を上げたが、何も答えず黙っていた。

「よかった…………ちゃんと起きているみたいね。どうしたの………?こんなところに座り込んで。」

「………………」

「………えっと………」

「………おなか、すいてるのかも。あんまりすくとしゃべる元気もでないし………」

何も答えない少年に娘が戸惑っている中、少女は娘に言った。

「なるほど………リースが言うと説得力あるわね。………それじゃあとっておきを出そうかしら。」

「………!クインシー・ビルのチョコレート………!?」

「さっき、リースのおやつに勝っておいたんだけど………いいかな?」

「むう………がまんする…………」

「ふふ、良い子ね。………ねえ。よかったら食べて。甘くてとっても美味しいよ。」

少女の言葉に微笑んだ娘は少年にチョコレートを差し出した。

「………………」

「クインシーのは最高………ねだんと味のコストパフォーマンスがイチバンだと思う………」

「………だ、そうよ。甘いものは身体も暖まるし、遠慮しなくていいから。」

「………るさい………わ………」

少女と娘の言葉を聞いた少年は途切れ途切れで呟いた。



「え………?」

少年の言葉を聞いた娘が首を傾げた時、少年は顔を上げた。

「あ………」

「………っ………」

少年の表情―――深く濁った暗い瞳で感情のない表情を見た娘と少女は息を呑んだ。

「………さっきから………うるさい………言うとんのや………とっとと………消えろ………たのむから………オレに………かまわんといてくれ………」

「……………………」

「…………ねえさま……………」

「ふむ、なるほどね。そんな風につれなくされたら私だって考えがあるわよ?」

そして娘はその場で自分が持っていたチョコレートを食べた
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ