新暦76年
memory:07 どっちが強いの?
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e end-
-side 悠莉-
試合後、クラッシュシミュレートが解け、シャマルの治療である程度回復したライと私の前にヴィータが現れた。
「二人とも、まずはお疲れさん。なかなかいい試合だった。お前らの実力も再確認できたし、他のやつらにもいい刺激になっただろうさ」
そう言ってみんなに目をやると、先程の試合の興奮覚めやまぬ様子で話している。
「―――でもな……」
急に声音が変わった。
恐る恐る声の主に振り向いてみると、仁王立ちするヴィータが怒天髪と化した。
「なんで、最後の最後でルールを無視しやがるッ!!」
そうライに向かって目じりを釣り上げて怒鳴った。
「い、いや〜、あれはついといいますか、熱くなったといいますか……」
「うっせェ!」
言い訳をするライの頭部にゴンッとヴィータの鉄拳が降り落ちた。
「いってえっ!」
ヴィータが怒るのも当然で、ライが最後に使用した魔法、正式名称は双破龍神翔は一応部類的には砲撃魔法に属すものだったりする。
「なんか巻き込まれそうだし……逃げるか」
説教をするヴィータとされるライに気づかれないように足音を立てずその場から離脱してみんなのところへ向かった。
「ちょ、悠からも何とか言って…居ねえ!? あいつ逃げやがった!」
「おいコラ、話の最中によそ見か? ……その性根、今から叩き直してやっからもう一回デバイス起動しろ!」
「ヴィータさん、アイゼンとかシャレになんないですって!?」
……うん、正解だったな。
-side end-
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