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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
第51話
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も許されず、ほとんど軟禁のような生活でしたが当時の私にとっては苦ではありませんでした。大切な弟と、時間ができた際は必ず顔を出してくれて一緒に遊んでくれる父…………不自由ではありましたが、毎日を家族と過ごす生活は幸せでした。



しかしそんな生活が10年前に父が亡くなった事で崩れ去りました。――――流行病(はやりやまい)だったそうです。私達を庇っていた父が亡くなった事で、正妻や正妻の家族たちは私と弟を父の葬儀に参列する事も許さず、屋敷から追い出しました。



実家に追い出された私達は七耀教会を頼りました。教会は私達の事情を聞くと同情してくれ、帝都内にある教会の福音施設に私達を入れてくれました。屋敷にいた頃と比べると質素な生活ではありましたが、衣食住には困りませんでした。



貴族の子女のような言葉遣いをし、愛想もなかった私は同じ福音施設に住む子供達からも敬遠され、友人もできませんでしたが、人なつっこい性格をしている弟は私とは逆に多くの友人ができました。ここが私達の安住の地になる……―――そう思った矢先に弟が父がかかった流行病にかかってしまいました。その頃のその流行病の治療法はゼムリア大陸ではまだ見つかっていなかったそうです。



唯一の治療法は異世界の癒しを専門とした宗教――――”癒しの女神(イーリュン)”教の”癒しの聖女”を始めとした”癒しの女神(イーリュン)”教の高位司祭による治癒魔術か”癒しの女神(イーリュン)”教のみに伝わる秘薬――――”イーリュンの息吹”という秘薬のみだったそうですが…………リィンさんも学院の授業等で習い、知っていらっしゃるとは思いますが”癒しの聖女”を始めとした”癒しの女神(イーリュン)”教の高位司祭達は”癒しの女神(イーリュン)”教の治癒魔術の使い手を必要とする場所―――――病院等近くに医療施設がない場所を回っています。その為巨大な病院があり、七耀教会の大聖堂もある帝都には”癒しの女神(イーリュン)”教の規模はそれほど大きくない為高位司祭も常駐しておらず、当然秘薬もその教会には置いておらず……弟は逝きました。



後は……以前お話した通り、宰相閣下に拾ってもらい、閣下より”居場所”を与えてもらい、今に到るんです。」





「…………………そんな事が。その……クレア大尉は”癒しの女神(イーリュン)”教に関しては思う事はないのですか?」

「フフ、あの子の死が”癒しの女神(イーリュン)”教の責任ではない事くらいわかっていますから彼らの事は恨んで等いません。それどころか無償で私の頼みを聞いて秘薬や高位司祭の手配の努力をしてくれた上、弟が死んだ時も葬儀に参列してまるで自分の家族が亡くなったかのように悲しんでくれましたから、今でも彼らには感謝しています。弟が死んだ理由は私
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