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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
第51話
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……………………なら、どうしてクレア大尉は郷の守備を手伝ってくれているんですか……?メンフィル帝国がエレボニア帝国に戦争を仕掛けるとわかっていて…………」

クレア大尉の説明を聞いて呆けたリィンは暗い表情をしてクレア大尉に尋ねた。



「……私は”エレボニア帝国が滅亡した後”を見据えて行動するべきだと思っているんです。郷の守備を手伝わさせてもらっているのは私達の内戦に巻き込んでしまったユミルやシュバルツァー家に対する”償い”も勿論ありますが、メンフィル帝国の侵攻によってエレボニア帝国全土が制圧され、エレボニア帝国が滅亡した後のメンフィル帝国のエレボニア帝国に対する”処分”を僅かでも軽くする為でもあるんです。」

「………その、クレア大尉自身はエレボニア帝国に侵攻して来るメンフィル帝国軍を迎撃してエレボニア帝国を守るとか、一矢報いようとかは考えなかったのですか?」

クレア大尉の話を聞いたリィンは辛そうな表情で尋ねた。

「ふふ、一矢報いる事ができたとしても結果は変わりません。それにメンフィルの戦力と私達の戦力を比べて考えると、私達の勝率は”0”です。最初から勝てないとわかっている戦に挑んだ所で、無駄な死傷者が増えるだけです。……クレイグ中将あたりが聞けば、軟弱な考えと仰るかもしれませんが…………―――滅亡した後のエレボニア帝国の民達を護り、そして祖国が滅亡する事になってしまった”原因”である私達は彼らに対して”償い”をするべきだと私は思っているんです。」

「………………」

寂しそうな笑みを浮かべた後決意の表情になったクレア大尉の様子をリィンは辛そうな表情で見つめたが

「………………」

「え…………ク、クレア大尉?」

突如クレア大尉に抱きしめられ、戸惑った。



「リィンさん。メンフィル帝国とエレボニア帝国の外交問題は私達――――”大人”の問題です。まだ学生のリィンさん達は気にする必要はありません。だからそんな辛そうな表情をしないで下さい。それに”Z組”のクラスメイトの中にはメンフィル帝国の皇族であり、リウイ陛下のご息女であられるプリネ姫もいるのですから、プリネ姫の性格を考えるともしかしたら”トールズ士官学院”は残すように進言してくださるかもしれませんから、トールズ士官学院自体が無くならない可能性は残されてあります。」

「でも……俺がもっとしっかりしていれば、ユミルの襲撃を未然に防いでエリスも誘拐されなかったかもしれません。…………俺の力不足でクレア大尉やアリサ達の祖国が滅亡の危機に陥っているのに”気にするな”、なんて無理ですよ……」

「―――それは違います、リィンさん。功を焦ったアルバレア公爵が猟兵達にユミル襲撃を指示したのも元を辿れば和解の道を探らず、決別して内戦に備えていた私達
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