新暦76年
memory:06 道場での出会い
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ミウラの両頬を摘まんで軽く横に引っ張った。
「ねえミウラ、ミウラはミット打ちやってみたいの? やりたくないの?」
ミウラの頬から手を放して答えを待つ。
「だからボクは……」
「ダメな子だから? それって答えじゃないよね? 私はやりたいのかやりたくないのかを聞いてるんだよ? ……別に失敗したっていいじゃん。何度も何度もやって上手くなっていけばいいんだからさ」
「あぅ」
ミウラの頭に手を置いてポンポンと軽くたたく。
小さく声をこぼして、俯いた。
しばらくするとさっきとは違ってオドオドとしていた目が意志のこもったで見つめ返してきた。
「ボクは…やりたい、です!」
「うん、いい返事。そんじゃジャージを貸してあげるから着替えておいで」
「すぐにやらんのか? 別にミウラの今の格好でも十分動きやすいと思うんやけど?」
姉さんがそんなことを聞いてきた。
ミウラも同じようで頷いている。
え? まさかわかってない? ……わかってない、みたいだ、ね。
……かなり言いにくいけど、言わなきゃ二人とも気付いてくれないよね?
あー…うん、はぁ……
「えっとね、とっても言いにくいんだけどさ」
「なんや、もったいぶって。そんなに言いにくいんか?」
「ミウラの服装を見て気づかないかな?」
「「ミウラ(ボク)の服装?」」
二人は確認するけど首を傾げるだけ。
「あーっ! もうっ! スカートのままでやったら中が見えるでしょうに!」
―――………ボンッ///
静寂の後にそんな音が聞こえた気がした。
姉さんは「あー……」と、納得といった表情に苦笑いが含まれている。
一方でミウラは顔を真っ赤にして俯いてしまっている。
かくいう私も顔が赤いんだろう……頬のあたりが熱いから。
「え、えーっと、そんじゃミウラ? 行こか?」
ミウラは早足で八神家へと向かって行った。
「……はぁ、なんだか精神的にどっと疲れた気がする」
今のうちにザフィーラやみんなに説明しときますか。
それから、ミウラと姉さんがやって来た。
ミウラはまだ少し恥ずかしそうだったけどミット打ちを始める。
撃ち損じたりバランスを崩して転んだり失敗しながらも一生懸命にやって夢中になっていた。
そんな様子をザフィーラを始め、みんなも見ていた。
ミット打ちが終わると自分がみんなから見られていたことに気づいたミウラは急にあわあわし始めた。
だけど、
「最後の蹴り、かっこよかったよ!」
「転んでたけど大丈夫?! ケガとかしてない?」
と、みんなから賞賛や心配、他にもアドバイスなど言われたりしている。
ミウラはもみくちゃにされていながらもどこか嬉しそうな笑顔。
そん
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