暁 〜小説投稿サイト〜
竜から妖精へ………
第13話 初仕事へ
[1/5]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

 

 夜も明けて、小鳥の囀りが朝の訪れを教えてくれる。ギルドの窓に差し掛かる太陽の光が、朝の暖かさを知らせてくれる。

 まだ、半分は夢の中にいるゼクトは、いったい何時以来だろうか? とも感じていた。

 こんなに、安心しきって眠った事は―――と。

 野宿だった為、野生の獣達だって普通に闊歩しているのだ。以前まで居た場所は大切な場所。それと同時に、縄張り争いの場でもあった。それが自然界の掟である事はゼクトも重々承知だった為、別段不快に思った事はない。


――無論、人間の相手以外では。


 だからこそ、本当に心地よく、いつの間に眠ったのかさえ判らなかった事など、初めてかもしれなかった。だから、鏡がなくたって、自分がどういう顔をして眠っているのかが、判っていた。


 そして、マグノリアの街を、魔道士ギルド・フェアリーテイルを太陽で完全に包み込む頃には、しっかりと目を覚ましていた者達がいた。

『ほーらっ! ゼクト、起きて? 朝だよーっ』

 ゼクトは、元気いっぱいの声が、伝わってきて本当に心地よい。それもその筈だこの感じは、昨夜の宴の席で とても良くしてくれたレビィの物だったから。

 だが、声は1つではなかった。

『おいこら! レビィ! ゼクトは、私が起こすんだ! 抜けがけするな!』
『いーや! 私だ! ミラこそ、横入りするな!』

 聞こえてくるのは、更に元気いっぱいな声。
 朝からこの元気では、本当に良い目覚ましになってくれると言うものだ。……半分まだ眠っていたゼクトだったが、やがて 4分の1程になっていき………。

「もーっ 2人ともー、暴れないでよ。きっと、ゼクト昨日の事できっとつかれてるんだから!」

 また、声が増えてきた。どんどん賑やかになってきて、寝ていられる場合ではなくなってきた。

「おぉぉい! 朝だっ! 朝一勝負だーー!! しょーぶしろーー!! ゼクト!!!」

 そして、ココ一番大きな大きな声と熱気を放っているのは、目を瞑っていて見てなくても、仮にまだ完全に眠っていたとしても、誰なのか判る。朝っぱらから、炎を出してる様な人は1人しかいないだろう。 勿論、ナツである。

 そして、ナツが飛びかかってきた拍子に、その勢いで椅子やらが吹き飛んで、他のメンバー達に直撃したりするのもこれはお約束だ。

「ブッ!! てめっ! 何しやがるんだよ! ナツ!!」

 勿論、まず最初に当たったのかは決まり事である。まるで、狙ってたかのようにグレイに当たったのだ。そして、黙っている筈もない。


「てめーは本ッ当に単細胞だな! なんで、ゼクトに昨日、あれだけボコボコにされたのに、今日早速 勝負! って言えんだよ! 10年はぇぇ、って言葉知んねぇのか!
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ