【ソードアート・オンライン】編
142 かくして幕は下ろされる
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で過ごした二年弱の日々>氛氓チていうのが皮肉だけどね」
乃愛と明日奈は京子の独り言に、丁寧に答える。京子は10分ほど恥も外聞も捨てて泣き続けた。……だからかは判らないが京子の目元は腫れてこそいるが、それとは対照的に顔色は晴々としている。……憑き物が落ちた様な表情≠ニ云う修辞的な表現が似合う表情を京子はしていた。
「焦って、いたのかしら?」
京子は確かに焦っていた。……本来なら三人四脚で──じっくりと母子で一緒に成長できていけると思っていたのだ。……それが、乃愛と明日奈が自分の見えないところで$ャ長していたから京子は焦ってしまっていて──その成長が脅威≠ノ思えてしまっていたのも間違いない。
「……学校については好きになさい」
もう娘達は自分で未来を選択していける>氛沚。日の親子喧嘩(?)でそう悟った京子は、もう乃愛と明日奈には過干渉しないことにした。……娘を傀儡にしたいと云うわけでもなかったから。
……幸い乃愛と明日奈の交際相手は資産家である升田家≠ネので、京子は娘の婚約者についてはあまり口出しせずに済んでいるのもあった。……とは云っても、同じ家に娘二人が嫁ぐ≠ニ云う状況にも思うところはあったが、京子は娘を信頼することに。
「それと、そのね──乃愛と明日奈のおすすめのゲームが有ったら教えてくれるかしら?」
「「もちろん」」
京子は少しだけ乃愛と明日奈が居る世界に踏み込むにした。乃愛と明日奈の二人は一瞬だけ目を合わせ──京子のそんな依頼を快諾する。
……時間にして1時間ほどの家族会議はかくして終了したのだった。
SIDE END
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
SIDE 升田 真人
とある病院のとある病室。開け放たれている窓から入ってくるのは、風に乗せられた桜の香り。……身体(からだ)が若ければその匂いに充てられて、どことなく甘酸っぱい気持ちになっていただろう。
「……いろいろ、あったよなぁ…」
「そうだねぇ」
あの事件≠ゥら100年近くが経過した。
ベッドに横たわるのはしわくちゃになってしまって──かつての美貌をすっかりと喪(うしな)ってしまった乃愛である。……しかし、やはりと云うべきか俺の身体は18〜20くらいで止まっていて──老化≠オなかった。
……見た目は呪文等で誤魔化しているが、身体自体は丈夫なので日本で一番元気なおじいちゃん≠ニ謳(うた)われている。
「……何だかんだで乃愛が最後に残ったよな」
皆、いい笑顔で往生して逝った。……和人や明日奈を含めた同期で、乃愛を除いて一番長生きしたのは、4年前の冬にぽっくりと逝った稜ちゃん──もとい、稜だった。
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