【ソードアート・オンライン】編
142 かくして幕は下ろされる
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しておくべき命≠ニ自分の心に言い聞かせて見殺しにしたから」
「えっ」
いきなりの乃愛からのカミングアウトに、京子は信じられないものを見た様な目付きで乃愛を見る。明らかに乃愛の言ったことが呑み込めていない。……そこで、そんな京子を見かねたのか、威圧感による恐怖から立ち直った明日奈が口を開く。
……明日奈は漸くこんなに──珍しくも乃愛が剣呑な態度になっている理由を察した。
「ううん、違うよお姉ちゃん」
「明日奈…」
京子は明日奈に視線を遣る。縋ったのだ。……明日奈が乃愛を正すのね>氛氓ニ。……しかしそんな京子の期待は直ぐに裏切られるとも知らずに。
「……っ」
一瞬、明日奈の脳裏に《PoH》の邪悪な笑みが浮かぶ。……アスナは《PoH》の殺害について≠ヘ最後までティーチに忠言していた──が、最終的にティーチに懇切丁寧な説得術によって丸め込まれたクチだ。
「見殺しにしたのは私も一緒」
……しかし、ティーチから示されたとは云え──アスナが利≠選んで《PoH》を見殺しにしたの事には変わりない。
「明日奈? ……判った。明日奈に任せるね」
乃愛は訝しむ様な表情で明日奈を見るが、そこは曲がりにも双子。明日奈の言いたいであろう事を──ある意味に於いて、乃愛自身の狙いが達成された事を何となく悟る。
「お母さん、聞いて」
「聞きたくないっ!」
「逃げるの? ……娘から逃げるのっ!?」
「……っ! あっ、あぁ…っ」
珍しく声を荒げる明日奈。……そこで京子は自分の言葉──どうして人殺しの世界の話≠ネんか聞かなければならないのか≠ニ云う言葉を娘に吐いてしまった事に、激しく自責の念にかられた。
……だってそれは、貴女達の過去なんか聞きたくない、認めない≠ニ、アインクラッドでの日々を否定してしまったと云う事になるし──ならびにアインクラッド時代ありきの今の乃愛と明日奈≠熹Fめない≠ニ言っている様なものだったから。
「うう…っ。……うううぅぅぅぅぅぅぅ…っ!!」
理性の乃愛≠ニ感情の明日奈=Bその両方から責め立てられた京子は、終ぞ逃げ場を失い──その場に泣き崩れた。
………。
……。
…。
「……浩一郎に反抗期なんてなかった」
「性別も違うし──育ち方も違うのにお母さんは何を言ってるのさ。……月並みだけどお兄ちゃんはお兄ちゃん=Bボク達はボク達≠セよ」
「……貴女達には良い生活を送ってもらいたいの」
「勉学≠ヘ力になるのは私も判ってる。……それを教えてくれたのがアインクラッド
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