【ソードアート・オンライン】編
139 兄弟語り(物理)
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尽くせない相手から認められるような言葉が出てきたのだ。嬉しくない訳がなかった。故に言葉を見失ってしまう。
「……ああっ! 来い──っ!?」
(しまった──煙幕=cっ!)
口から出てきたのは上ずった声。……その瞬間、ティーチは事もあろうかスモークグレネード≠地面に叩きつけた。……そう時間は掛からず辺りにはもうもう、と白煙が立ちこめる。
……これは真人兄ぃは俺に戦い方を合わせて≠ニ、勝手に信用していた俺の失態である。……真人兄ぃは前以てこう言ってくれていた
―緒戦はこんなものか。エンジンも掛かってきた。……だから、キリト──いや、和人、今からやるのが俺に出来る──巧妙な手″桙ンの全身全霊だ。……いくぞ―
……と。それに、よくよく考えればそんな風にご丁寧に説明してくれたのも作戦≠セったかもしれない。……それほど、腰元に手を回して銃を手放す所作に違和感が無さすぎた。……間隙を突かれたとも言い換えられる。
(本気、か…)
俺が考えるに、真人兄ぃは試合≠ニ戦闘≠フ線引きは明確で、試合≠ヘ割りと土台を合わせてくれるが、戦闘≠ニなった途端、その手加減具合が反転したかの様に手段を選ばなくなる。
……しかしそれを裏返せば、今の真人兄ぃの中で俺は敵≠ノなっていると云う事にもなる。……それもまた嬉しかった。
(さて──来た…っ!)
速まる思考。コンディションは好調。相も変わらずもうもう、と白煙が視界を埋めていて──そろそろ手と足を出そうとした時、弾道予測線≠フ赤色が俺に付き、飛来してきた俺に当たりそうな弾幕を二刀流モドキ≠ナ斬り落とす。……狙われているのは良いのだが、それは愚直な攻撃で──あまりにもらしく≠ネい。
(これは牽制──なら、ここで選ぶべきは速攻…っ)
「疾っ!」
経験則からして、牽制であると予想。……牽制≠セとするなら真人兄ぃは今のうちにあの煙の中で俺に勝つための種を埋めているはず。……俺からしたら真人兄ぃの戦舞台に乗ってやる理由は無いので──意味合いは違うかもしれないが、そこは孫子に習って選択肢として拙速≠選択。
(……あと少し…)
弾幕を斬り払いながら一気に煙の中へ踏み込み──弾幕が迫って来ている方向へ歩を進める。……すると予想通りに、白煙の中を十歩目に差し掛かったところ、前方3メートル程に黒い人影を見付けた。
(……居た…っ! ……今…っ!)
俺にとっては僥倖で人影を見つけた瞬間、弾切れなのか弾幕が止んだ。それをチャンスとみた俺
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