【ソードアート・オンライン】編
138 少女A
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とか言えるのかもしれないが、どう言い繕っても尋常≠ニは云えないほどに俺の積み上げてきた功夫≠ヘそんな謙遜を許さない。……もちろんの事ながら精神的にも≠セ。
……平和な世界線であるこの世界でこそ鍛練はそこそこにしてはいるが、それでも他の人からしたら強い℃魔ノは間違いがないだろうから。
「……BoB≠フ10位以内って十分にシノンも強いだろう」
「違うっ! 私は貴方たちみたいな理不尽なまでの強さが欲しいのっ! 弱い自分に克ちたいから…っ!」
(……なるほど…)
そんなシノンの慟哭は、俺にある種の納得を与える。……シノンはある意味有り得た俺≠ナ、シノンは──少女A≠ヘ、先のかの事件≠ナ心的外傷を負っていたのだ。……百年以上昔、俺も軽くダウナーになりかけたが、ドライグからの激励に依って殺した事を忘れない≠ニ云う答えに辿り着けた。……しかし、シノンはどうだろうか。
……あの事件については概要と世間の反応を軽く調べただけで、少女Aの近辺≠ヘ調べていなかった俺には判らない事である。……尤も、シノンの現状≠診れば、好ましい状況だとは云えないと云う事は一目瞭然であるが…。
「シノン、俺はお前を肯定する」
さっきは俺に言える事はないと思った。けれどもここまでシノンの話を聞いてしまったら、同情≠ェ涌いた。……そんな同情心≠キらも隠さず俺の気持ちを、PSY(サイ)≠──心波≠使ってまで正直に伝える。
「……っ!!」
シノンは押し付けた形になってしまった俺の心波≠ゥら何かを感じたのか、瞠目して俺を見る。……それはシンパシーとも呼べるもの。驚愕≠フ色が強かったシノンの視線は仲間≠探す様なそれになる。
「もしかして貴方も──そう」
首肯すれば何やら納得した様な表情のシノン。
「話したい事はあるかもしれないが──」
「そうね…。……後で軽く時間を作ってもらおうかしら」
「了解した」
「あ、それと──私に勝ったんだから優勝しなさいよね」
頷き、左切り上げ気味に剣線を走らせる。……激励の言葉──それがシノンの第三回バレット・オブ・バレッツ≠ノ於ける最後の言葉だった。
SIDE END
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