第2章 妹達編
第33話 看病
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を取ろうとベッドの上から移動しようとするが、湾内はグイグイと近づいてくる。
「アンタ風邪引いたらしいじゃない」
上ってくる湾内の背後から御坂と泡浮もサソリのお見舞いに来ていた。
「湾内さん、ペースが速かったですわ」
息を少しだけ切らしている泡浮。
「ああ、まあな」
風邪という単語を聞いた瞬間に湾内の表情が深刻そうな顔になった。
「か、風邪ですの!?それは大変ですわ」
湾内がサソリが逃げないように布団の上からサソリの足に乗り、逃げないようにすると両腕でサソリを壁際へと追い詰める。
両腕でサソリの両サイドを固めると、徐に湾内は自分の顔をサソリに近づけた。
「ゲホゲホ!何しやがんだ」
「咳まで!待ってください今お熱を測りますわ」
と額をくっ付けようとしてくる湾内にサソリは必死に右手で抵抗を続ける。
「ケホ、いきなり過ぎるんだよ!いいから離れろ!」
熱が上がって来たのかサソリの顔は真っ赤になり、右手に力が無くなっていく。
息を荒くなる。
「はあはあ、くそ......」
それでも構わずにサソリに迫ってくる湾内。
「全く!これですから」
白井が湾内の制服の襟を掴むとテレポートでベッドの脇に移動させた。
いきなりサソリが居なくなってしまったので辺りをキョロキョロとしている。
「??」
「貴方の出る幕ではありませんわ。湾内さん」
「何をするんですの白井さん!?」
手をパンパン叩いて、笑顔を見せる白井だが、背後から嫉妬の炎を燃やしている。
「いいえ。私は立派にサソリの看病をしようかと思いまして。一応、貴方よりは付き合いは長いですし」
ポッと出てきたこんな世間知らずのお嬢様にサソリは釣り合いませんわ。
貴方は家柄を気にして、どっかのボンボンにでも嫁げば良いんですのよ
湾内は立ち上がると、ツインテールを描き上げている白井に大股で歩いて近づいた。
「恋人として看病は当然ですのよ!」
「振られた分際で何をおっしゃいますか」
「ふ、振られましたけど。いつか恋人になる予定ですわ!」
「予定は未定と言いますわよ」
サソリの事で激しく言い争う白井と湾内。
そこに御坂が手を叩いて二人を宥める。
「はいはい、おとなしくしなさい!」
「あのー、サソリさんの様子がおかしいですわ」
泡浮が顔を真っ赤にしてフラフラ身体を揺らしているサソリの見ながら、三人に知らせるように指を差す。
「はあはあ......」
バタッと力が無くなり、ベッドに倒れ込むサソリ。
「!?」
言い争いをしていた二人が一斉に駆け寄るが意識が曖昧らしい。
「だ、大丈夫ですのサソリさん!」
「早くナースコールナースコール!」
一時的に熱が上がっただけで、サソリの容体にはさほど影響はなかった。
まだまだ完全回復への道
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