暁 〜小説投稿サイト〜
とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第2章 妹達編
第33話 看病
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らくサソリを見つめた。
あれだけ女慣れしている態度をしていると思ったら、実は全然経験がなかったですと!
ま、まさかのチェリーボーイ!?

白井は静かにガッツポーズをした。
サソリの初めてになれるかもしれないという喜びからだ。

サソリは白井の様子に首を傾げながら、腕を組んで悩む素振りをした。
「うーむ、湾内は割と苦手かもしれねぇな。何を考えているか分からんし」

それに先の件で事件に巻き込んでしまったから、後ろめたさもある訳で。

「ケホ、いっその事お前だったら良かったかもな」
ガシャンガシャンとパイプ椅子から崩れ落ちた白井が顔を真っ赤にしながらサソリの方を見上げた。
「な、なな!?」

ど、どういう意味ですの?
国語の文脈判断ならば二つの意味に取れてしまう言い回しだ。

解答例
お前だったら、簡単に断れるのに

もう一つの解答例
お前だったら、付き合ってもいいな

こ、この迷わせる選択肢をこの場で臆面もなく言いますのー!
「で、では......その私と」
白井は背筋を伸ばして、真剣な表情で向き合った。

どちらか分からないならば、当たって砕けろですわ

一世一代の大勝負に白井は顔を真っ赤にしてサソリを見上げる。

「お前だったら楽そうだな。単純だから分かりやすそうだ」

...............

白井はプルプルと身体を震わすと落としたミカンを拾い上げて、サソリに投げ付けた。
「このスカポンタン!こちらの気持ちを知りもしませんで!!」
サソリは投げ付けられたミカンを片手で受け止めた。
「何すんだ!お前」
「デリカシーが無さ過ぎますわ!」
座っていたパイプ椅子をテレポートで飛ばして、サソリの頭上に移動させる。
一瞬だけ重力を無視したように漂うとサソリの頭の上に落下して激突した。
「痛ってー!お前、オレが病み上がりなの知っているだろ!」
「もう、知りませんわ!馬に蹴られて死んでしまえですわ!」

何でコイツ怒ってんだよ?

丁度座るクッション部分ではなく、硬いパイプ部分がサソリの頭に当たりコブを作っていた。
ヒリヒリと痛む内出血箇所を摩って痛みを和らげようとしている。涙が微かに反射的に出てきた。

すると扉がいきなり開けられて満面の笑みの湾内が入ってきた。
「サソリさん!如何ですの?」
久しぶりにサソリに会うことが出来てご満悦だ。
「げっ!?」
「!?」
湾内の登場にサソリと白井は、同時に振り返り鼻歌交じりで近づいてくる湾内を驚きながら見つめた。
「とても寂しかったですわ。サソリさん......少し泣いていますけど大丈夫ですの?」
無垢にサソリのベッドに腰掛けると、サソリの顔を覗き込んだ。
「いや、別に」
サソリはなるべく湾内から距離
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