第二十二話
[1/4]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
食堂にやってくると、既に皆席についていた。どうやら俺が最後だったらしい。
「遅いわよ、イッセー!」
「すまんすまん、ドライグから興味深い話を聞いていてな?」
『相棒ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!それは言うなと言っているぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!』
懐に入っていてあまり声が響かない筈なのだが……皆の顔を見てみると、どうやら先ほどの悲痛の叫び声はきちんと聞こえていたらしい。
「な、何があったんですの、ドライグさんは?」
「何やら私たちに聞かれたくない話のようだが……」
リンスレットとエリスがそう聞いてくるので
「いやぁ、興味深い話だよ。何せドライグが『相棒ぉぉぉぉぉぉ!!分かった!今後一切いじらないと約束するから!!だから、それだけはぁぁぁぁぁぁぁ!!!』……むぅ……」
今後いじらないというのは魅力的な提案だ。
「わかった、わかった。言わないから」
『ほっ……』
「な、何か二天龍が形無しだね……」
まさしくヴァ−リ言うとおりだろうと思う。
俺はそんなことを思いながら空いている席に着く。
俺の両隣はヴァーリとクレア。ちなみにアーシアの隣にはきちんとルビアが座っている。万が一もないだろうが念のためだ。
と、あれ?ソーナ会長や匙経ちの姿が見えないな?
「クレア、匙達は?」
「まだよ。多分着替えてるんだろうけど……」
「???」
?なぜ着替える必要が?
「それは正装を着なければいけないからね。次期当主とその眷属の皆だから」
と、俺がやってきた扉とは違う扉から一組の男女がやってきた。
男性の方はキリッとした感じの男性で髪の色は黒色短髪、瞳の色は深い蒼色。女性の方は髪の色はこちらも黒髪で腰元まで伸ばしており、それをポニーテールにしている。瞳の色はこちらはちょっと黒味がかかった赤色だ。
「私の名前はグリム・シトリー。ソーナとセラフォルーの父親だ」
「私はアーシェ・シトリー。同じくソーナとセラフォルーの母親よ」
「っ、会長とセラフォルーさんの両親でしたか。すいません、挨拶もなしに」
俺たちは即座に立ち上がって非礼を詫びる。
「いいのよ。楽にしてくれて。私たち自身格式ばったやり方は好きじゃないの」
「そうだそうだ。っと、ソーナ達はまだ来ていないのか?」
そう言いながら上座の席に座るお二人。
「そうですね。まだですね」
と、俺がそう言った瞬間
『…………、ダメ……!こんな…………う………』
『何言ってる………………う!!似合って…………!』
『そうだよ、そー……!行ける……………!』
俺が入ってきた扉の先からそんな途切れ途切れの声が聞こえてきた。
「?会長の声ね」
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ