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真似と開閉と世界旅行
探索開始〜
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に売られている物だったわ」

「それは予想通り・・・で、武器は?」

俺が聞くとキリトがぶっきらぼうに言う。

「・・・PCメイドだ。制作者は・・・“グリムロック”」


「PCメイド・・・!」



武器や防具には大まかに二つ種類がある。まずは普通に倒したモンスターからゲットできるのをドロップ品。プレイヤーが作成したのがPCメイド品と言う訳だ。一応俺の方天画戟や亮の重武装も俺がドロップした武器だ。・・・とにかく、一つ気になった事がある。

「わざわざ貫通武器を作る鍛冶屋・・・?」


この手の武器はモンスターには効きにくい。プレイヤーなら、カインズさんのように恐怖で力が入らず、中々抜けずに貫通ダメージを受け続け・・・となるが、モンスターにはその手の感情を持たないため、刺したらすぐに抜かれて遥か彼方にぽーいと投げられておしまいだ。また、ここまでの武器を作るなら少なくとも中層クラスの人間・・・そこまでの人間ならこの槍の使用目的くらい判断できそうだが・・・

「・・・あんまり対面したくない人だな」

「・・・それは俺も同感だな」

「ちなみに、この武器の名前は?」

「“ギルティソーン”・・・意味は」

「罪のイバラ・・・か」

基本的に武器名はゲームシステムがランダムに選択する。多分数多くの単語を並べているだけだが・・・この状況では、この名前に何かを感じてしまう。・・・俺達ははじまりの街に移動する。

「着いたか・・・」

理由は簡単。生命の碑を見てグリムロックが生きているかどうかを確認するためだ。


「・・・なんかやな空気だな」

はじまりの街は、何となく荒涼とした雰囲気に覆われていた。

「随分陰湿だな」

軍が市民の夜間外出を禁じたと言うが・・・マジなのかもしれない。しかもさっきから軍の連中が俺らを見つける度に近づいてくるが、その度にアスナに一睨みされて退散する。

「あくまで噂だけど・・・課税もやるって話もあるんだよなぁ」

「へ!?税金!?・・・嘘だろ、どうやって徴収するんだよ」

「さあな。ドラマみたいに借金取りが取り立てに来るんじゃないか?」


そんな話をしていたが、黒鉄宮に足を踏み入れると自然と口をつぐんだ。夜中に来たお陰か、他のプレイヤーはいない。・・・一度、石碑を見て泣き崩れたプレイヤー達を見たが・・・正直、気分のよいモノではなかった。確かに恋姫の世界でもそんな人々を見たことがあったが・・・

「じゃあ、俺は一応カインズさんを見るから、二人はグリムロックさんを頼む」

アルファベット順に並ぶ名前からカインズさんの名前を探す。聞いた綴りは“Kains”

「K・・・K・・・あった」

『・・・やっぱり亡くなられてるッスね
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