機動戦艦ナデシコ
1333話
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も仕方がないのだろう。
「そこまで!」
俺の言葉で、模擬戦は終了する。
「アクセル! 俺はまだやれたぞ!」
目を吊り上げて叫ぶイザークに、首を横に振る。
「確かにお前はまだやれただろうな。けど、それは円だって同じだ。その上で、このまま模擬戦を続ければイザークが大きな怪我をしかねないと判断した」
「ぐぬぬ」
悔しげなイザークだが……ぐぬぬとか言ってる奴、初めて見たな。
イザークも自分がこのままでは怪我をしてしまったと理解したのだろう。それ以上は何も言わずに大人しく戦闘態勢を解く。
「千鶴」
「ええ、分かってるわ」
小さく頷き、赤いパーティドレスを身につけた千鶴がイザークの下へと向かう。
「イザークを中心に半径1mに領域を指定。橙の石よ、その力を示せ」
その言葉と共に、イザークを中心にして橙色の領域が展開される。
橙色の領域は、常時回復効果……いわゆるリジェネとかそういうので、一度に傷を全て回復させるといった強力な回復能力はない。
だが、身体についている小さい切り傷や軽い火傷の類であれば問題なく回復が可能だ。
模擬戦をやっている上で、千鶴のアーティファクト虹色領域の腕輪は非常に役立つ。
勿論エヴァとの修行を行って回復魔法を使える者は結構いるが、それでもやっぱり俺達の中だと千鶴が回復役としてはトップクラスなんだよな。
……ちなみに、少し前までは断トツで最高の回復役だった千鶴がトップクラスという表現になっているのは、シャドウミラーに近衛が加入した為だ。
元々巨大な魔力を……それこそネギをも上回る魔力を持っている近衛は、その魔法資質も回復魔法に特化している存在だ。
それだけに、回復魔法は得意だが攻撃魔法や補助魔法の類も使いこなす千鶴と比べ、こと回復魔法に掛けては近衛の方が上だ。
まぁ、近衛は今回ホワイトスターに居残りでこっちに来てないから、やっぱりこっちの地球出向組の中では千鶴が最高の回復役だってのは間違いないんだが。
あっという間に身体の傷を回復したイザークを確認し……
「で、お前達が見たがっていた魔法とかをその目にした訳だが。感想は?」
視線の先にいるのは、プロスペクター、エリナ、ゴートといったネルガル一行。そしてミスマルを中心としたブリッジメンバーに、整備を代表してウリバタケや、エステバリスのパイロット一同。……おまけで、映像モニタ越しではあるが、アカツキの姿もあった。
元々はアカツキからの要望によってこの模擬戦の公開は決まったのだ。
連合軍や連合政府にシャドウミラーがどのような存在かをしっかりと知らせる為って事だったけど、実際にはアカツキが見たかったんだろうな。
俺の個人的な戦闘力はゴート辺りから報告は上がっていたと思うが
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