アインクラッド編
異世界との出会い
[4/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
メートルくらい離れた場所にポップしていた青色のイノシシのようなモンスターが視界に入る。
(まずはあのイノシシでいいか・・・・)
不恰好な構えのまま、アスカは手近なところにいたイノシシ型モンスターへと距離を詰めていった。
結果だけを言えば、アスカは余裕でそのモンスターを倒した。
一度だけ突進をくらったことを除けば、さしてダメージももらっていない。
アスカが最初のターゲットに選んだ青いイノシシ型モンスター〈フレイジーボア〉はスライム相当の雑魚キャラなので当然のようにも思えるが、ネットゲーム初心者としては上等だろう。
なにせこのゲームでは圧倒的な情報量故、モンスターの再現度が高すぎて実際に生身の自分目掛けて、牙を持っている本物のイノシシが雄叫びを上げながら突っ込んでくるように感じてしまう。
最初の突進は恥ずかしながらもビビって腰が引けてしまい、なにも出来ないままアスカは盛大に後ろに吹っ飛ばされた。
さすがに痛みまでは再現されていないところはありがたい。
現実世界で同じように突き飛ばされたら、骨の2、3本は確実に折れており,苦痛で泣き叫ぶことだろう。
斧や槍などのごつい武器は使いにくそうだから、という単純な理由で購入した細剣だったが、この武器のことをアスカはかなり気に入っていた。
「・・・・・ふっ・・・・!」
鋭く息を吐きながら、細剣でソードスキルを発動。
細剣を白色のライトエフェクトが覆い、剣を携える右手がシステムアシストによって、きらめくような速度で撃ち出される。
〈細剣スキル〉初級単発攻撃、〈リニアー〉。
初期状態から使える細剣カテゴリのソードスキル〈リニアー〉は、体の正中線に構えた剣を、ひねりを加えながら相手に突き込むだけのシンプルな技だ。
だが、狙ったところに勢いよく突きはなった剣が突き刺さる爽快感は筆舌に尽くしがたいものがある。
突進を喰らわされたお返しにと、アスカは二度ばかりイノシシの体に〈リニアー〉をたたき込む。
動きが鈍重なイノシシの横っ腹を、勢いよく細剣が貫く。
ぷぎゃっ、と短い叫び声を上げながらあっけなくHPバーがゼロになった〈フレイジーボア〉はピクリ、と体が動かなくなった後、無数のポリゴン片をまき散らしながら爆散、消滅した。
初めての戦闘を終えて、緊張で張り詰めていた息を吐き出すアスカの目の前に手に入れた経験値、コルが表示されるが、特に気にしないまま、右手を振り下ろしてそのウインドウを閉じる。
そしてすぐさま次の獲物を探すためにアスカは走り出した。
めずらしく、本当にめずらしく、アスカは時間のことも気にせずに遊んでいた。
夢中になってモンスターを狩り続けた。
相手の攻撃をよけて、〈リニアー〉をたたき込む。
何度も繰り返す。
モンスターの動きを読めるようにな
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ