暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン―【黒き剣士と暗銀の魔刃】
六節:新たなる《ゴックローク》
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た話ゲーム内である事も手伝って余り精神論は関係無かったりもする。

 しかしそれはあくまで一般論や説明にそう記してあるというだけであり、リズベットは全神経を注ぎリズム良く金属を叩けば、きっと一流すら超える技物が出来上がる……そう信じている。


 無我のままに、ただ魂を込めて、叩く回数すら途中から細かくは数えるのを放棄し―――恐らく大まかではあるが通算三百回に至ったころだろうか、赤く熱せられたまま鎮座してた長方形の金属が光り輝き、徐々に徐々にその姿を金属板から片手曲剣へと変貌させていく。


「これって……!」


 そして彼女は思わず猫背となり、その武器へ眼をむいてしまった。

 インゴットの色彩や質感などそれこそ全く受け継いでいない、その無骨な曲刀は―――


(あいつのウェポンと、まるっきり同じ……!?)


 ―――ガトウの所持している短剣、細剣と種類やサイズこそ違えど、そのフォルムやディティールは余りにも彼の得物と酷似していたからだ。


 唾が無く、鉄塊からそのまま削り出したとしか思えないデザイン。
 何処となく厚めであったり、反りも少なく、尖端が片方へ曲がっていなければ別種と勘違いしてしまうかもしれない。

 朝の日差しを受けて刀身が放つ色合いは青緑に似た物であり、差し詰め深淵で寝ていた物を削り起こしたかのような輝きと照かりを持っている。


(こりゃ本気でたまげたわねー……)


 通常のRPGとは違いSAOは先へ進めば進む程、ランクが上がれば上がる程武器の固有名や固有形状は多種多様となっていき、初期の武器群に代表されるに色合いが微妙に違う物ならばともかく、ガトウの様にシリーズものとも言えるそっくりな武器を集めるのはそれこそ幸運と根気が必要となってくる。

 勿論性能だけを比べ見るならばガトウの所持しているウェポンと同等の代物は幾つも存在しているだろうが、先に記したとおり姿や形は皆違うのだ。
 性能だけで妥協しなかった結果か、それともただ運を呼び寄せているのかは、正直仮説を立てようとも憶測の域を超えないが。

 根気でないのなら、実力と共に運も持っているのかと、珍しいからこそリズベットは目を見開いて驚き、同時にこの男には驚かされてばかりだと一周回って逆に感心してしまった。 


「よっ……んぐっ!?」


 持ち上げようとリズベットは柄に手を添える。
 ……ものの、見た目の無骨沙通りというべきかかなりの重量を誇り、中々持ち上がらず諦めたか置いたまま確認すべくクリックして、武器の詳細が記されたポップアップウィンドウを表示させる。


「っととと……えーっと名前は……へぇ〜『イーシャオブエッジ・ゴックローク』だって」
「……!」


 その名前を告
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