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ソードアート・オンライン―【黒き剣士と暗銀の魔刃】
六節:新たなる《ゴックローク》
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ームの良い所とも言える。
このまま座っていても仕方無かろうと腰を上げて取りあえずフレンドにメールを送り、closeにしていなかった事を不用心だと思いながらドアを開けた。
そしてリズベットは外へ出て、徐にガトウの元まで毛布を持って近寄る。
「シャ―――イーシャ、バルログ……お前ら、は……」
「何の夢を見てんだか……ねっ! と」
と、就寝していようが相も変わらず無表情な彼へ、頭からバサッとかぶせた。
「……んごっ? ……む……ぬぅ……」
「起きなさいよ、ガトウ。もう朝よ」
毛布の頂点を律儀に掴んで前方へと傾けて落とし、斜め右下へ向けていた顔を斜め左上にあるリズベットの方へと持っていく。
彼女の顔を数秒見てから彼は何を言うでも無く、何度そうすればよいのかと言いたくなるぐらい、またじーっと見つめたまま。
だが数秒と経たず頭を軽く左右に振ると、顔を傾けて軽く右手を上げ、大雑把に朝の挨拶を終わらせた。
昨日の迫力や圧力など、余韻は勿論その片鱗すら欠片も残っていない。
「ほら、昨日冗談抜きで酷い目に遭いながら手に入れたインゴット、片手曲剣にしちゃうからさっさと店に入んなさいよ」
「……おう、分かった……」
リズベットはまず右手の人差し指と中指をそろえて振り、アイテムストレージを選択してからインゴットの情報を調べるべくクリック。
名は『ヘヴィブラス・インゴット』となっており、顔所の店にはないタイプのインゴットだと確認してから、リズベットは早速剣を作るべく準備に取り掛かる。
カウンター奥の扉を開け、そこに設置されているレバーを引いてふいごを動かし、送り込まれた風で更に炉内が燃え上がり真っ赤となる。
早速炉内に燃え盛る炎目がけてインゴットを放り込むと、数十秒程待ってからヤットコで取り出し金床の上に置く。
実際はこんなに速くは無かろうし、まだやるべき肯定は幾つもあるのだろうが、それはそれであり此処はゲーム、余りリアルさを追求しすぎても仕方ない。
剣を主とした近接戦闘の世界であり、力を入れるべきは近接戦闘におけるリアルさと爽快感、そしてスリルなのだから。
リズベットは壁に立てかけてあった鍛冶用ハンマーを手に取ると、ポップアップメニューから作成アイテムの項を『曲刀』に指定し、赤熱した金属を見やりハンマーに神経を集中させ、火花を散らしながら気合いをこめて叩いて行く。
決して目を放さずリズムを崩さず、集中し続けているリズベットではあるのだが、実際のところこの剣を作る工程はただインゴットを複数回叩けばいいだけであり、出来上がる武器の強さやランクはインゴットのレア度と作業時の叩く回数によって決まる為、ぶっちゃけ
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