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ソードアート・オンライン―【黒き剣士と暗銀の魔刃】
六節:新たなる《ゴックローク》
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のだが……リズベットは最初、なにもそれに付き合ってやる必要はないのではないかと、クリスタルを取り出した。
だが何の嫌がらせか、螺旋階段は尖塔の外にある癖に『結晶無効化空間』であり、結局またある意味長いながーい道のりを、トボトボ徒歩で行く事となってしまう。
リズベットの口から愚痴がわんさか飛び出、ガトウが階段を降りながら寝るというこれまた器用な真似を行いながら、一つ二つどころではない悶着ありで――――如何にか塔を降り終わった。
「ふぃ〜……到着っと!!」
等を下り終わってから、僅かに数十秒後。
待ってましたとばかりに二人は転移結晶を使って四十八層主街区『リンダース』へ、更に己の経営する【リズベット・スミスショップ】へと足を運ぶ。
如何にか店舗近くまでは戻るものの、もう時刻は既に夜遅く、しかもリズベットは心身ともに大きく摩耗しており、これ以上何かハードな作業を続けるのは……正直無理だった。
「じゃあ、また明日。なるべくというか、絶対朝一に来てよ? ガトウ。……剣、作っちゃうからさ」
「……おうよ……」
プレイヤーホームまで戻ってきたにもかかわらず、疲労感から大きく喜ぶ事も出来ないリズベット。 彼女は、遂に限界が来たか寝室まで向かう事無く椅子を引き出して、毛布をオブジェクト化させカウンターに頭を預けた。
ドッと押し寄せる眠気に抗えず、また抗うつもりも無いリズベットの意識は、あっという間に遠のいていく。
「……」
その様子をガトウは途中まで見届けると、なるべく静かにドアを開け、足音一切立てずに出て行く。
「お前―――もし――巻き込む――――――れ、イー…………リズ、ベット」
ガトウのモノであろう……至極小さな呟きにも、彼女は気に留めることなく、穏やかに意識を落としていった。
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早朝。
鳥の鳴き声さえ響かず、大きな時計塔の所為で大きな影が差しており、全く持って読み目覚めなどもたらされそうもない状況で、リズベットは毛布をずり落としながら上半身を持ち上げた。
流石に状況判断が付いていたのに、疲れで寝て記憶を失う程彼女も忘れっぽくは無く、窓から少し遠くを見る。
すると……ガトウがこれまた境目が曖昧で鍔は勿論ない大剣―――ソードアート・オンラインでは『両手剣』カテゴリに分類される武器を、器用に立てかけてもたれ掛り、眠りこけているのが目に入る。
恐らく自身のホームとしている主街区へと帰るのが面倒くさかった為、そこまで寒くなかった事もあり道端で寝たのだろう。
こういった無茶な事も出来てしまうのが、フルダイブゲ
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