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ソードアート・オンライン―【黒き剣士と暗銀の魔刃】
六節:新たなる《ゴックローク》
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というもの。
全回復では無いし、発動までにポーション以上の誤差があるものの、リズベットのHP値から換算すればちゃんと全回復する。
つまるところ……本当に念の為にと入れていた希少価値の高いアイテムが、彼女の命を救ったのだ。
それでもまだ不確かな部分はある。
あるのだが―――今ここに【生きている】という事が、今一番大事な事実であり、迷いなくリズベットが確信している事である。
「って、ことは……」
気絶してしまった事から恐らく、敵の攻撃がデバフ付きで攻撃力重視では無かったのであろう事。
もし、ポーションをケチっていたらという可能性。
ソレへ身震いすると同時に、通常のポーションを既に飲んだのに焦っていたとはいえ回復アイテムを無駄に使おうとしていた事を思い出して、仕方が無くともうっかりから軽く苦笑いする。
……が、ソコで一辺に気が抜けたか、ヘナヘナと座り込んでしまった。
「よかった! よかった〜っ! アタシ死ぬかと思った!! アタシ本気で死ぬかと思った……!」
「……俺も、冷や汗かいたな……結構」
「あのねぇ……そんなだるーい語調で言われても説得力無いわよ?」
死の恐怖はまだやはり残っているか震えこそしているものの、精神はいまだしっかりしている様子にリズベットは様々な要因重なって溜息をついた。
「あ、そう言えば……」
此処でこうやって呑気に話をしていられるという事は、即ちボスは消えているという事。
今話している部屋もボスフロアなので、結論を言えばガトウは倒れたリズベットを“庇いながら”ボスを倒した事になる。
元々足手纏いになっていたのだから、意識を失った事により発生した、特殊な立ち回りの煩雑さはいっそ想像もつかない。
取りあえずハイ・ポーションを口に含んでから、そんな苦労を掛けた事を謝ろうと口を開こうとして……彼女はある出来事に思い至った。
「……というかそもそもさぁ? あんたが妙なケチ付けなければ、こんなとこ来なかったのに」
「徹夜した、お前もどうかと思うが」
「う、うぐっ……」
戦闘時以外では珍しい、かなりハッキリとした口調で同じ愚痴の様な文句を返され、無理をしたという事実から反論など出来ず、リズベットはその場で数瞬ばかり黙り込んだ。
「悪かったわよ。別にちょっと愚痴りたくなっただけよ」
「……まあ死に欠けて精神が、無事なら……文句の一つも飛び出るかも、な」
「今正に飛び出たけどね」
あんな目に遭遇しておいて苦笑いできる自分が居る事にリズベットは内心驚き、意外と豪胆だったのかそれとも喉もと過ぎれば熱さを忘るというものなのかと考え、しかし答えは当然登って来ず思考を止めた。
一先ずは聞
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