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ソードアート・オンライン―【黒き剣士と暗銀の魔刃】
五節:朧気に映る “刃”
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って何故か上に少し緩やかに伸ばした―――そう思うとほぼ同時だった。
―――二段層に分かれたライトエフェクトと恐るべき速度により、恰も空気摩擦により赤熱したかと誤認しそうな穿撃が、斜め上から連続でガトウへ襲い来るのは。
「―――ッ! クソが……」
右への刺突を紙一重でかわし、斜め右を包帯の特殊効果からか籠手のように扱って逸らし、左前へ斜めへ後方への連撃は一発目は屈み、二発目を誘導して三発目を不発に終わらせる。
最後にニ連から間を置いての一撃を、連撃の方はまるで来る場所が分かっていたのか一息早く動き、渾身の一発は大きくそれる事も無く目の前に着弾させた。
「シッ……!」
「ギィィォォアアァァァッ?!」
第三の腕目がけて、見た事の無い“青緑色“に光る短剣カテゴリらしきニ連撃技を命中させた後、まだ終わらせないと前方に跳び出て足場替わりに着地する。
「……も一つ……土産、だ」
「ギョ―――ロロロロロ!?」
今度はスラスト系の突進スキルで弱点であろう技で銃弾の如くかっ飛び、むきだしになっているたった一個の眼を、自身事飛び交う槍と化し轟音を上げて撃ち抜いた。
「……すごい……」
リズベットからしてみれば、殆ど……どころか全く見えない、それでも確かに繰り広げられる攻防に、ただその言葉しか呟けない。
目の前で繰り広げられているのはガトウや化け物共々、レベルが違うというだけで片付けられる話の領域では無い、それ程のものだった。
少し相手の攻撃パターンを覚えたら手助けに入ろうかとも彼女は考えていた。
されど、桁違いの戦闘を見せられて逆に足手まといとなってしまう事を悟り、だが目を放すことなく未だモンスターを見据える。
すると―――いったい、如何した事だろうか。
「……そう、だな」
何の脈絡もなく……行き成りガトウは短剣を腰に納刀する。
無防備な様を、モンスターに晒してしまっていたのだ。
それは本当に、予兆すらない、突然のことだった。
「コイツ、はアレだ……
お
(
・
)
前
(
・
)
のモノ、だ」
代わりに取り出したのは、レイピアなのかギリギリで片手直剣なのかが分かりずらい、刀身も掴も何もかも細い剣。
ダガーよろしく鉄一本から削り出した様なそれを、ガトウは己の額に地被け何やら呟く。
そのつぶやきに答えるかのように、ほんの少しだけだが、鈍いその輝きを増した様に見えた。
「嘗て、の……置土産だ……」
「ルルル……ギャアアロロロロロロロロロ!!」
ガトウが武器を変えたのを合図としたかの如く、『異形』は立ち上がり、また地を揺るがさんばかりに吠える。
そこからの行動は、両者とも
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