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ソードアート・オンライン―【黒き剣士と暗銀の魔刃】
五節:朧気に映る “刃”
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いきなりリズベットの方へと視線を傾けてきて、そのまま位置を固定し動きを止めてしまう。
それが……何処か悲しげに、そして懐かしげな眼をしているように見えるのは、果たして気の所為なのか。
暫く待っても一向に、ガトウの方からは何の反応も返さない事を不気味に思い、リズベットは黙っていられなくなったか己を指差しつつ自ら口を開いた。
「? ……な、なに?」
「いや……」
それだけ言うと今度は不自然なまでに目線を逸らし、そこまでしなくてもいいのにと思える位に首を捻り、顔をビジュアルエフェクト以外には何もない虚空へと向けた。
彼の拳が何故だか強く握られていたが、すぐに歩き出して行ったのを見て、慌ててリズベットも後を追う。
自分勝手な奴だと思った半面……如何して自分の事を見るのか、初対面の筈な自分に対して抱くには、酷く合わない、情感がこもった目を向けるのかを不思議だと考え―――思い切って話を聞こうと一歩踏み出す。
「グルルルル……!」
「アレだ……エンカウント、だったか」
(う〜……上手くいかないっ……!)
されどモンスターに邪魔されてしまい、意外と数が多かった事で軽く頭から跳んでしまい、結局聞けずしまいとなる。
―――そういった狼や亜人型モンスターとの数回のエンカウントを繰り返して、難なくモンスターをポリゴンへと還しながら岩石地帯を進み、元は岩があった場所に存在していた口をあけている靄の掛かった洞窟を抜ける。
と……開け青空の見える円形の荒野のど真ん中に、何故こんな物が外から見つからないんだと思える程背の高い尖塔が現れていた。
「うっひゃ〜……コレ現実だったら超目立つ事請け合いよね〜」
「……無駄、にデカイか……」
「あ、それは思った! 何で明確な設定も無いのに謎めいたもの建てるんだろ」
「………………………………………さぁな?」
「返事が遅すぎてまた寝たかと思ったわ……」
余り攻略には意味の無い、文字通り名無駄話をしながらただ一つ口をあけてまっている、金属製の尖塔の入り口へと足を踏み入れる。
此処は様々なトラップが乱立し、中には対策を偶然とっていたおかげで何とかなったが危うく死にかけた、途轍もない物まで設置されているらしい。
無論、何が何処で襲い来るかは既に解明されていて、今では時間がかかるという難点を克服できる暇な人達の為の、いい稼ぎ場となっている。
……詰まる所そのインゴットが市場に出回るのは珍しいのは、登るのが非常に手間な所為なのである。
「あ、そうだ……今回駄目だったらその時は、あんた一人か別パーティーで行ってよね。今回はイレギュラーなもんだしさ」
「……そう、か……」
ガトウはがっかりと
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