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ソードアート・オンライン―【黒き剣士と暗銀の魔刃】
四節:鍛冶屋リズベット
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為パーティーを組んでから、ダンジョンの発生の条件や敵の強さやスキルの詳細等を話すと……途端、ガトウは目を細めて天を仰ぎ、額を軽く引っ掻いた。
リズベットはちゃんと “そこそこ強かった” のは見つかった当時で、今は皆のレベルもそれなりに上がっているのでもっと簡単になっているだろうという事、寧ろ難しいのはダンジョンの罠と分かれ道の多い迷路だという事。
気を付けておきたいのは一瞬で回復できる回復結晶や離脱用の転移結晶が使えない『結晶無効化空間』であるという事、ボス部屋はその当時でさえ五人程の小さなギルドでも倒せたのだから今は二人でも行けるという事も当然教えたのだが、ガトウは何か気に入らない部分でもあったのだろうか。
「何か不都合な点でもあった? あの武器を扱えるならレベル的にもスキル的にも大丈夫だって判断したんだけど」
「……あ? あぁ違う……違ぇ」
「違う? 何が」
「……ただ額が痒かっただけ、だ」
「何で痒いのよ!? 此処はゲーム内でしょうが!」
出会ってから大声を上げてばかりだとリズベットは思いつつも、いい加減にも程がある態度についつい声に力がこもってしまうのを止められない。
おまけに遠慮ないそのやり取りの所為で、周りからはそこそこいい関係だと誤解されている視線を受け、リズベットは頭の血が上ったり下がったりでフィールドへ出る前から消耗を強いられていた。
……全ての原因は目の前の男、ガトウなのだが。
「ほら、一分一秒が惜しいんだからさっさと行くわよ。オーダーが無いだけで私には仕事が残ってるんだからね」
「ならなんで、来たんだ……」
「原因作ったのはあんたでしょう、が」
今度は怒鳴らず睨めつけるだけに止め、まずはフラグ立ての為に話を聞かせてくれるNPCの元まで、フィールド端を通って主街区傍のまず誰も注目しない薄暗い場所まで辿り着く。
そこにはリズベットの得ていた情報通り、ローブを被った男性NPCが廃屋の前に座って静かに本を読んでいる。
彼の頭にはNPCや非戦闘体勢モンスターを表す黄色いカーソルが浮かび、他に何の手がかりもないが迷わず近づいて話しかけた。
「おや、お嬢さんがた。こんなさびれた男に何の用かね?」
「金属の尖塔、ってしってる?」
「……その話を何処で……!? いや、詮索はすまい、お主らもまた挑戦者なのだな」
そこから伝承の様な語りで話し始め、中途半端な長さの台詞を言い終えると最後は死ぬなとだけ言い、そのまま俯いた。
これでフラグは立った事となり、岩石地帯の奥に金属塔が聳え立つインスタンス・ダンジョンへの入り口が開かれた事となる。
これも予断ではあるが、フラグを立てていない者が後について行って入口に飛び込んでも、侵
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