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ソードアート・オンライン―【黒き剣士と暗銀の魔刃】
四節:鍛冶屋リズベット
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のかどうかという疑問が新たに生じるが、もしかすると敵によって使い分けているのかもしれない、と考えれば強引だが納得がいく。
要求パラメータはクリア、スキル面でもクリア、実力もクリアとくれば、疑問はあれど文句のつけようはない。
……彼女は、元々文句そのものを口にしている訳では無かったりもするが、それはそれだ。
「中々の腕前じゃない! 正直見謝ってたわ」
「……」
ソードスキルを見て素直に称賛を口にしたリズベットに、男は何の答えも返さず引き戻した格好のまま止まっている。
そういえば接客用の口調じゃないと、そして失礼な言葉を口にしたと今更ながらに気が付くが、謝ろうと正面に回った途端口から飛び出て来たのは―――
「何ごく当たり前かってぐらい呑気に寝てんのよあんたは!! というか途中で寝ないわよね普通!?」
「…………あ? ……ぬぅ……」
「はっきり返事しなさいよあんたはぁぁっ!!」
部屋内へこだまする程に大きく響いた、暖簾に腕押しとばかりの一方的な怒鳴り声だった。
それから幾つかの言葉と共に怒り叩きつけ祭りを繰り広げるが、相手は気にしていないのかそれとも日常茶飯事か暖簾に腕押しで、結果リズベットは無駄な体力を使うだけに終わる。
肩で息をする彼女の方へ視線を向けながら男は曲刀を再度軽く振り、数秒考えるかのように首を捻ってから目だけでなく顔も向けた。
「……性に合わない……のか……」
「起きていてもハッキリしない人ねぇ……重すぎるんじゃあ無いの?」
「違う……重さは別段障害じゃあ、無い……」
要領を得ない曖昧な返事にリズベットは段々とイライラしてきた。何時もの彼女ならばまだ耐えられる。
だがしかし、今は寝不足という最悪のコンディション、調子が悪く気が短くなっている。
仮にたっぷり休息をとれても、彼の所作は嫌悪感をいだかせるには十分なので、正直爆発するのは時間の問題かもしれない。
一応気遣って居るのか……曖昧な返事で感想を誤魔化していた男だったが、リズベットの眉が段々歪んできた事で『早くしろ』と言いたげな感情を読んだか、首を二回横に振って誤魔化しを捨てた。
「……見た目が性にあわん。あのケツ―――何とかぐみとかいうの……アイツら制服以上に気にくわねぇ」
「血盟騎士団! 何で最初だけ覚えてんのよ!? というか気に食わないって何よ!?」
「……アレだ言葉通り、だ……あぁ」
「余計に悪いわ!!」
残念ながら読めたのは感情と急かされているという状況だけで、立ち込め始めた険悪な空気は読めなかったらしい。
此方に気を使う事すらしない、此方の不機嫌も意識しない、そんな客相手にまで丁寧に接する気力は無いのか、リズベットは表情と言語と
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