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ソードアート・オンライン―【黒き剣士と暗銀の魔刃】
四節:鍛冶屋リズベット
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は思わず顔を逸らしそうになる。
それは彼女を見ているというよりも、
彼
(
・
)
女
(
・
)
を
(
・
)
通
(
・
)
し
(
・
)
て
(
・
)
何かを見ているように見えるのは……果たして気のせいなのだろうか。
―――されど何時までもこうしている訳にはいかない。
何せ依頼もあるのだから、接客する時間こそ作れども、沈黙し続けて居られる時間など無いと息を一つ吐いて呼吸を整え、目的は何かと促した。
「あ、あの……ご注文は?」
「………………あぁ……悪い……」
少しばかり顔を傾け、目を細めながら男は謝罪を口にする。
その様子が、如何いう訳かリズベットには “我に返った” 様に思えていた。
しかし次の注文の文句で、再び言葉を失うこととなる。
「……片手曲刀だ……一番良い、素材で頼む」
思わず……と言った感じでリズベットは表情を変え、少々ながら驚きの色をにじませた。
彼の装備している武器はどう見てもナイフ―――武器カテゴリで言うなら『短剣』に属する得物で、サーベルやシャムシールといった片手曲剣、または曲刀等と呼ばれるカテゴリに入る刃物とは、全体の形、刃渡り、スキルの主な傾向、単純なリーチ、扱い方など似ても似つかない。
デスゲームとなった現状で幾つもの武器を鍛えるのは余り意味がなく、必要性があるとするならハルバードの様な斧、槍、バトルフックの混合した長柄複合武器を扱う為が精々だ。
しかも上記の件はハルバード系を十全に使う為の物ではなく、飽くまでスキル会得の条件を満たすまでのものなので、実質斧か槍として使うのが一般的。
―――話がそれたが、様は『ハルバードの様な武器なら兎も角、似ても似つかない短剣と曲刀を何故同時に扱おうとしているのか』といった物がリズベットの疑問である。
だがしかし、聞きたくともスキルの詮索はマナー違反という、所謂一種の暗黙の了解がプレイヤー間では流れており、そうでなくとも彼女は店主兼店員の身、深入りして聞く事は余り褒められた行為ではない。
……やがて渋々といった感じで曲刀の置いてある棚へ案内しようとするが、何故か男が付いて来ない事に気が付き、戻って身長差から伏せられている顔を覗き込む体勢となる。
そして、目じりが釣り上がった。
「何寝てんのよあんた!! って言うか何で立ったまま寝れるの!?」
「……んおっ……」
何と器用な事か、男はリズベットが悩んでいた僅か数秒の間に、立ち尽くしたまま寝始めていた。
自分が悶々と悩んでいる傍らで呑気に、そして奇天烈な状態で寝てしまわれれば、寝不足も相まって彼女の様に接客も忘れ素で怒鳴ってしまうのもいた仕方ない。
男はちゃんとリズベットの声で起きたが、表情にも呟きにも反省の色
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