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ソードアート・オンライン―【黒き剣士と暗銀の魔刃】
二節:睡眠の訳……?
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らしい戦いだったよ。アレは二対一でも出来るのかい?」
「……まあ一応、な。蜥蜴の棒振りを見切れ、ないなら嘘だ……」
「ほう、棒振りと来たか」
仮にも敵として十分な技量を与えられている筈のリザードマンの技を “棒振り” などと言い現わした事から、初めて出会った前回同様に今回も本気では無かった事が窺える。
彼の言い方からは読み取れないが……若しや『ソードスキル』も棒振りの中に入るのであろうか。
また短剣を回しだしたガトウに、ヒースクリフは真剣味を帯びた目を向けた。
「ではガトウくん、もう一つの要件を聞いてくれるかね」
「……そういや、二つ……と言ってたか」
一旦ナイフの回転を止めて腰のホルダーへ差し、視線だけヒースクリフの方へ向けていたのを止め体ごとゆっくりと向き直る。
彼の動作が終わるのを待ってから、ヒースクリフはもう一つの要件をガトウへ伝えた。
「二つ目。君の実力を見込んで頼みがあるのだが……我がギルド、《血盟騎士団》へ―――」
「嫌だね」
「…………」
まさかの子供染みた喰いぎみな即答に、ヒースクリフの口は思わず止まってしまう。
再三口をあんぐりとさせざるを得ないアスナとリークはさておきとばかりに、ヒースクリフは硬直から数秒で立て直して続けた。
「理由を聞こう、何故かね?」
「……俺は基本用事の無い生き物だ、確かに年中暇だ。……だからって、このゲーム攻略に勤しむ気にはなれないのも……まあ事実なんでな……」
「なっ……!? どうして!? あなたはこのゲームから出たくは無いの!?」
アスナの当然中の当然な疑問に、ガトウは場の空気を読まないゆったりとした動きで首を飲む気を変えて、彼女の方を見てから紡ぐ。
「……そもそも、ゲームから出られるか分からないからな……いや、クリアしたら……どうなるか分からない、ってのが正しかもしれねぇが……」
「何、言ってるの……あなた……?」
前半の言い分は何となくわかる。
終わりがまだ見えないアインクラッド攻略が不安であり、途中で死んでしまうのではないか、理不尽な策にはまってしまうのではないかという、死や行き詰まりへの恐怖から来るものだと。
しかし後半はどうだろうか。
クリアすればプレイヤー全員が脱出できる……これは第一層主街区『始まりの街』にて茅場明彦が空虚なる赤きフードローブのキャラクターを介したチュートリアル―――という名の絶望申告にて説明した事であり、全プレイヤーが揃っている場で言い放たれた衝撃的な事実を。忘れられるものはいない筈なのだ。
……目の前のガトウの様な、例外を除けばかもしれないが。
「ゲームクリアすれば脱出
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