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ソードアート・オンライン―【黒き剣士と暗銀の魔刃】
二節:睡眠の訳……?
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の腕前はやはり攻略組にも劣らないかと」
「それだけでは無いよ」
「「えっ?」」


 ヒースクリフが発した一言にアスナとリークが聞き返すが、彼はただ黙ってガトウとリザードマンの戦いを見つめるのみ。
 それだけではないとはどういう意味なのか、そう疑問に思って再度目を向けていた二人の内、リークが恐る恐るといった様子で口を開いた。


「団長……あのガトウってプレイヤー……まさか、大きな回避行動を一回も取っていないんですか!?」
「その通りだ」
「え、ええっ!?」


 アスナはリークの発言とヒースクリフの肯定に驚いて、再三ガトウの戦いを見直す。


 と、丁度リザードマンが四連撃『ホリゾンタル・スクエア』のプレモーションを取り、それをガトウが対処する様を見てまた目を見張った。
 一撃目はまた紙一重で避け、二撃目は進み出てきた事を利用して潜り込んで回避、三撃目は回転に合わせ体をずらして外し、四撃目は微調整が効かず剣が届かない。
 正方形を描く水色の光が、空しく広がり散っていく。

 最初は彼の実力のみに目を向けていた為か気が付かなかったが………確かに大きな回避も防御も行っていない。
 パリィと呼べそうなものも、どちらかと言えば剣を当てて少し軌道を変え、攻撃判定が無い場所に移動しているだけ。

 驚異的な判断力と反応を持っているのか、それらにより最低限の動作で全て去なしているのだ。


「情報通り “先読み” とも呼ぶべきだなあれは……明らかに攻撃の来る場所が分かっている」


 ヒースクリフは改めて確認と分析を口にするが、アスナは返事と共に頷けたがリークは未だに大口を開けている。

 ヒースクリフは盾による防御主体、リークは武器防御と威力により勝る事を重視しているのであまり関係がないが、アスナはスピードを落とさぬ為態と盾を持っておらず、ステップ回避が主となる。
 しかしそこまで大げさに距離を取る事こそしないだけで、最小限の動作や紙一重の回避を続けるなど、技量と胆力の点で実行できるかどうか分からない。

 アスナも初期の層こそギリギリの位置を保っていた事があったが、それはあくまで攻撃が回避できるという意味のギリギリであり、ガトウの様なテクニック重視とは言えないのだ。

 一人一人にクセがあり、戦術も違う人間相手ですら攻撃を読みきったのだから、AIで動くモンスターの相手など彼にとっては造作もない事か。


 結局、ただの一度もスイッチもせず一定距離に張り付いたまま、ガトウはリザードマンを四散させてしまった。


 スピードを活かした撹乱と手数が売りの短剣でも、まず考えつかないであろう戦法での勝利……ヒースクリフは感心したように頷き、ガトウのもとへと歩いて行く。


「いや、素晴
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