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ソードアート・オンライン―【黒き剣士と暗銀の魔刃】
二節:睡眠の訳……?
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例に漏れず今回のモンスターも、重い縦切り主体の両手剣から、スピード重視で突き技主体の細剣へと変わった事で、それまでの動きが嘘のように目に見えて鈍くなった。
「ヤアアアッ!」
「ジュオオオッ!? ォォォ……」
その隙を逃さず細剣スキル連続技『ペネトレイト』による三連突きを見舞い、リザードマンを爆散させポリゴンの破片へと変える。
ヒースクリフも神聖剣四連撃『ゴスペル・スクエア』により菱形の閃光と共に葬りさった所だった。
これで残るリザードマンは一匹となり、これまでずっとナイフを回していたらしく、今もまだ回しているガトウの出番が来た。
「ガトウさん! 危なくなったら援護します! だから全力で行ってください!」
「……」
「ガトウさん?」
「……」
いやな予感を覚えアスナが耳をすませると……僅かに聞こえるいびき。
何が起こっているか確定した。
「まさか……立ったまま寝てる!?」
「はいぃっ!?」
「……はぁ」
アスナの発言にリークは驚愕し、ヒースクリフはため息を吐いた。
立ったままナイフを回転させて寝るなど、どれほど器用で有ればそんなお馬鹿な芸当が出来るのであろうか。
しかし戦況は刻一刻と変化するもの。隙だらけだとAIが判断したか、リザードマンは盾を前に出し片手剣を後ろに引き、体が硬直した瞬間モンスターの得物が朱色の輝きに包まれる。
見紛う事無きソードスキルのプレモーションに、慌ててフォローに入ろうとするも……その前に発動してしまい、無慈悲な刃がガトウへと振りかかる。
―――そして何を捉えるでもなく空振りした。
「ジョ、オオッ!?」
「……ああ、出番……だと」
五十九層迷宮区の時と同じくやる気の無い構えのまま、リザードマンの左後ろ側に陣取ったガトウは、本当に今更な発言を呟く。
彼は、振り降ろされる刃に合わせてリザードマンから見た左側へと姿勢低くして移動し、同時にがら空きとなった背中を切り裂いたのだ。
どう考えても寝ぼけた人間には出来ない芸当ではあり、初見であるリークは勿論アスナも目を見張っていた。
「ジャアアアアッ!!」
決まると思った一撃を避けられ逆に一撃入れられたことからか、単純なアルゴリズムに従って動くだけな筈のリザードマンは、怒った様に剣を振りまわしてくるが、全て紙一重で仰け反られ屈まれ、逸らされる事で回避されて当たらない。
攻略組の男性プレイヤーを相手した時にも似た状況に、しかしヒースクリフは関心の色を含んだ称賛を発する。
「凄いな彼は……」
「そうですね……私も改めてみましたが、やはり中々の物だと言えます」
「はい、プレイヤーとして
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