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ソードアート・オンライン―【黒き剣士と暗銀の魔刃】
二節:睡眠の訳……?
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問であった。
アスナはガトウの戦闘を実際に見ているが、ヒースクリフや彼は情報で見聞きしただけ。疑問に思わない方がおかしい。
が、目の当たりにしたアスナでさえ、自分の目を疑ってきているのか言葉の前に溜息を吐く。
「正直に言うと、自分が少し信じられなくなってきている、としか言いようがないんですけどね……」
「はぁ……」
彼女の返しもまた至極尤も。
そうこうしている内に転移門へとたどり着き、ヒースクリフが転移場所を指定した。
彼が選んだのは五十四層の主街区。レベル的に考えるならば実力を見極めるうえで確かに都合がいいだろう。
転移門から抜けるや否やKoBの三人は真っすぐにフィールドを目指し、睡眠馬鹿もそれに従って一応早足のつもりかギリギリで付いて行く。
フィールドに出てから数分と経たずに早速モンスターがPOPして、四人をターゲットし戦闘態勢をとった。
アスナと男性団員もレイピアと両手剣を抜いて構え、リザードマンらしきそのモンスター三匹から目を放さずに、ヒースクリフは十字盾から長剣を抜きガトウへ要件の詳細を口にした。
「我々は周りの数匹を相手する。残った一匹を君が仕留めて見せてくれ」
「……はいよ」
「ガトウ、一体を頼んだよ」
「……はいよ」
ガトウは、既に装備していたらしいあの時と同じ鍔の無い、鉄一個から削り出したが如き造型の短剣を指先で器用に回転させる。
洞窟並みに暗く明かりの乏しい迷宮区で見た時とは違い、太陽の光を受けその刃物はぬらりとした青緑色に似た色彩の光沢を纏っており、鞘の無い背中の剣も基本同様でいやに不気味さを醸し出す。
その刃とは対照的に不気味さの欠片もない、まるでやる気を感じられないその様子を不安に思いながらも、アスナはリザードマンの内一匹に狙いを定め、男性団員と共に挑む事と決めた。
「おおおおっ!!」
「グオオギャアアッ!!」
男性団員が両手剣単発突進スキル『アバランシュ』を命中させ数回の攻防を行った後、背後から叫ぶ。
「リークさん! スイッチ!!」
「はい!」
言うが早いかリークと呼ばれた団員は、無謀にも強攻撃を盾めがけて繰り出し、隙を作りながらも敵をノックバックさせた。
HP0=死につながるこのゲームでそんな無茶な真似をした理由、それは後方から光の尾を引き突貫してくる―――――アスナだ。
これが“スイッチ”と呼ばれる連携テクニックで、様は強攻撃や単発ソードスキルで強引にブレイクポイントを作り、その隙にもう一人と入れ替わるのである。
ただ回復の為に交代するだけでなく、攻撃パターンを変えてAIを混乱させる目的も兼ねており、戦闘を比較的楽に運ぶ為の戦法とも言える。
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