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ソードアート・オンライン―【黒き剣士と暗銀の魔刃】
一節:各、それぞれの者等との邂逅
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 ―――アルゴとガトウのしょうもない出会いから丸二日後。



 五十七層の主街区にてアスナは呼び出されたらしく、周囲からの注目に少しばかり眉をひそめながら指定された場所まで行き、やがて誰も居ない閑散とした路地で辺りを見回し待っている。


「ヤ、お待たせしたネ」
「アルゴさん……」


 そんな彼女に後ろから声が掛かり、背後に居た人物であるアルゴは不敵な笑みを浮かべてメニューを出した。


「ほいアーちゃン。メッセージでも送ったケド、これがお目当ての情報サ」
「はい。ありがとうございます、アルゴさん」


 羊皮紙状のアイテムにまとめ、アルゴはアスナが……正確にはKoB団長が欲しがっていた『GATO(ガトウ)』の情報を手渡す。

 あの後十層で更に聞きこみをしたアルゴは、彼の目撃情報が意外と多い事を知った。
 逆に言えば彼の実力から上層にしかいないと思いこみ、そこが下層を探す必要性を失わせ盲点を作り出していたと言える。

 一通りまとめられた情報に目を通す彼女だったが、後半になるにつれて段々とやるせない表情に変っていった。


「……えっと……十層をホームにしていたり、名前の正しい読みは分かったけど……この人しょっちゅう寝てませんか?」
「ああしょっちゅう寝てるヨ。しかも半分がダンジョンやフィールド内、命知らずにも程があるナ」


 モンスターの巣窟で眠りこけてよくもまあ今の今まで生きていられたものだと、そして寝てばかりなのになぜあそこまでプレイヤースキルもレベルも高いのかと、正直な疑問と大きな呆れの感情をアスナは同時に抱かざるを得ない。

 更に別段秘匿主義でも無かったことから今までの苦労が無駄になった様に感じ、どうしても感情を抑えきれなかったか彼女達は顔を見合わせ溜息を吐いた。


「それじゃあ、改めて……ありがとうございましたアルゴさん」
「いやこっちも高値で取引できて満足ダヨ。これからも宜しくナ! ……それで、ヒースクリフのとこへ行くんダナ」
「欲しがっていたのは団長ですからね」


 お互いに手を振り合い、アスナは路地を抜けまっすぐ転移門へ、アルゴは雑踏へまぎれる様に去っていく。




 アスナは転移門をくぐり五十五層の主街区『グランザム』へと降りると、この街に存在する血盟騎士団の本部へと更に脚を進めて行った。
 鉄造りの鉄塔が幾つも並ぶ中で、幾つか飛びぬけて高いものが並び、内一つへと迷い無く歩いて行くあたり、恐らくはそこがギルド本部なのだろう。


「「お疲れ様です、副団長!」」
「御二人も」


 入口に居る槍を構えた団員に敬礼され、アスナはソレに片手を伸ばし返礼する。


 誰も居ないロビーを
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