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ソードアート・オンライン―【黒き剣士と暗銀の魔刃】
一節:各、それぞれの者等との邂逅
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ホームとしている層も分からず、確実なのはモンスターがPOPしかねない場所で寝るのが趣味なのかもしれないという個人的且つ非常識的なもので、正確で役に立つ情報を求めるアルゴ本人の価値観からすれば何も得ていないに等しいものかもしれない。
「……フ〜ム……」
回想終わるにつれての動きは緩やかとなり、やがて用紙を繰る手が止まった。
見逃していた点が無い事を確認し終えたアルゴは、三度目の溜息を吐いてどうしたものかと頭を捻る。
KoBからの依頼は期限が無い為それを利用し、そこらを歩いていて偶々会う確率に賭けるとしても、そんなものは残り六千人という人数からも分かるように天文学的数字がはじき出される余りにも頼りない博打。
そもそも彼に当たる前にモンスターに当たりでもすれば、あくまで逃げのびる事を目的としたアルゴの装備では調査が難航する事必至である。
あくまで彼女は情報屋であり、モンスターと戦う事が必須条件ではないからだ。それでも、中層プレイヤーよりは少し抜きんでている実力は持っているのだが。
今日ほどAGIに振っている事を呪った日は無いとばかりに、アルゴは砂色フードの上から片手で頭を押さえ、事情を知らぬなら一歩引いてしまうドスの利いた声で唸る。
(むぅ、常時幸運ボーナスのバフが付いていたらナァ……いやいやあれと人探しは関係ないっテ)
自問自答し頭を振り一先ず休憩してから、もうすぐ攻略組や昼型のプレイヤー達が帰ってくる時間となる為に、その時見計らってまた情報を集めようとアルゴは立ち上がって腰を落ち着ける場所を探して歩いて行った。
「……ぬぅ…………誰か居たか……今……?」
「……はイ?」
否、歩いて行く筈だった。
何故そんな所に配置されているのか分からない、考えられる理由としてはスタッフのミスか何らかのクエストに関わっているのであろう、妙に太い地面を突き破っている街路樹の裏。
布らしきものがずり落ちる音から数拍開けて、やる気が欠片も感じられない声が聞こえ、アルゴは思わず足を止めて振り向いた。
「……まあいい、どうせ関係無ぇ……」
もう一度聞こえてきた面倒臭さと気だるさを隠そうともしない声に、今までの情報からピンと来たかアルゴが恐る恐るといった足取りで街路樹まで近寄っていく。
そして覗き込むと……いた。
あの数秒でもう寝付いたらしく、全く可愛げのない安らかにも見えない顔で、しかし似合わぬ程心地よさそうな、安らかな寝息を立てている。
毛布はそこらに捨ててあり、一応掛けただけであろう。
暗くてよく見辛い為にアルゴはその人物を見てもすぐには行動に移せなかったが、時刻がちょうどアルゴが情報収集を再開する予定を立て
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