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ソードアート・オンライン―【黒き剣士と暗銀の魔刃】
初節:鉄色の男
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いナ」
「あ〜……いやいや、こっちこそ無理難題を押し付けたからな。これ位は安いもんだ」
「そりゃ無理難題だろうサ。クエストを一通り調べさせられたんだからナ」
「う……ご、御尤もだな、アルゴ」
「御尤もなラ、少しは奮発してくれてもいいんじゃあないかナ?」
キー坊と呼ばれた少年プレイヤーは軽く頭を掻きながら、恐らくはおやつとして買ってきていたであろうクリーム入りのパンを、一つアルゴと呼ばれた女性らしきプレイヤーに渡す。
苦しゅうないとばかりに満面の笑みを浮かべて齧りつくアルゴを見て少年も食欲を刺激されたか、何も言わずに無言で口へと持っていった。
「じゃ、また頼むぜ」
「アイヨ。お安いご用サ」
双方パンを食べ終えてから、キー坊と呼ばれた少年が立ち上がろうとして―――前方から人影が歩み寄ってくる。
「いたいた! アルゴさーん!!」
「ある……ん?」
「むオ?」
そして彼等の正面からアルゴへ向けての呼び声が掛かった。
駆けよってきたプレイヤーは少女で、白を基調とし赤い十字やラインがアクセントとして入った装備を着こんでいる。
髪は大部分そのままのロングヘアだが、少しばかり編み込んで後ろに回して結っており、独特な髪形だと言わざるを得ない。
顔立ちは見蕩れて程に整っており、ネットゲームで有りながらもとある事情からプレイヤーの素顔そのままのアバターとなっているこの『ソードアート・オンライン』では、女性と美人だという二つの事柄でかなり希少な存在である。
「あ、キリト君。君も頼み事?」
「正確には頼み事を終えたばかりだけどな、アスナ」
「お久しぶりだナ、アーちゃん」
アスナと呼ばれたプレイヤーはベンチに座る少年……キリトとも顔見知りらしく、中々にフランクな雰囲気を醸し出していた。
キリトがアスナを見る目は兎も角、彼女がキリトを見る目は少しばかり熱が入ったもので、ただならぬ思いを抱いている事が分かる。
当然傍に居たアルゴは気付いたのだが、此処はからかわず自身の名を呼んだ理由を聞く事にしたようで、アスナの方へと顔を向けた。
「それでアーちゃん、オイラに用事って何なんダ?」
「調べて欲しい事があるんです。……ううん、人って言った方がいいのかも」
「……! まさか、今前線あたりで噂になってる奴カ?」
「はい、その人です」
アルゴはピンと来たようだがキリトは疎いのかどうもすぐに脳内の情報と結びつかない様で、彼女らに悟られないようにか顔を少しそらして眉をしかめている。
そんな彼の努力ならぬ努力空しく……というかそんな怪しげな挙動を見れば何を考えているか悟られるのは当たり前。
アスナは呆れたように溜息を吐き、アルゴはソレ
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